
■ラウンジも完備、1人旅から家族旅行まで多様なニーズに対応
JR東日本(東日本旅客鉄道)<9020>(東証プライム)は6月10日、2027年春に新たな夜行特急列車を導入し、地域の観光需要を創出する構想を発表した。グループ経営ビジョン「変革2027」のもと、移動そのものを楽しめる体験型の旅を提供し、東北地域を中心に新たな観光ルートを形成する狙いだ。改造車両には全席グリーン車の個室が設けられ、長時間移動を快適に過ごせる仕様とした。特に、かつてのブルートレインを思わせる青のデザインや、夜明けの瞬間を想起させる配色により、ノスタルジーと未来志向を融合させた列車体験が期待される。
車両はE657系10両1編成をベースに全面改造され、1〜4人用の多様なグリーン個室を展開する。プレミアムグリーン個室では靴を脱いでくつろげるソファスタイルの空間を提供し、全室がフルフラット仕様となっている点も特徴だ。さらに最大4人まで利用できるファミリー向け個室や、誰もが利用可能な開放的なラウンジスペースも備えるなど、個と集いの両立が図られている。高品質な内装デザインは、JR東日本建築設計が手掛けており、鉄道旅の新たな価値創出に貢献している。
導入後は首都圏から北東北エリアを中心に季節や需要に応じたルートが運行される予定で、観光地との連携による周遊型の旅が期待される。また、車いす対応の個室も用意されており、誰もが安心して利用できるユニバーサルデザインも採用された。鉄道を起点とする新たな旅行スタイルの創出を通じて、地域の文化や自然と出会う機会を広げ、国内外の旅行者を呼び込む起爆剤として注目が集まる。
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