ヨコオ<6800>(東証プライム)は6月30日、透過率80%以上を実現した世界最高水準の透明アンテナを開発し、6月末からサンプル出荷を開始すると発表した。対象帯域は4G、5G、Wi−Fi6、Wi−Fi6E、Wi−Fi7と広く、多用途展開が見込まれている。7月16日から開催される「人とくるまのテクノロジー展2025 NAGOYA」にも同製品を出展する予定である。

同アンテナは、線幅3μm以下の極細金属メッシュを用いたフィルムにより高い透明性を実現。さらにコネクタを用いない容量結合給電方式により、構造をシンプルに保ちつつ高い耐久性を確保している。周囲の金属を活用する設計により、小型化も可能となっており、意匠性や景観への配慮を求められる用途での導入が期待されている。
今後は、工場や建機、ドローン、港湾などに加え、オフィスビルや住宅市場への展開も視野に入れており、ヨコオはこれまで車載用アンテナで培った技術を軸に、新市場における製品開発と普及を進める構えである。特に窓ガラスへの設置による室内レイアウトの自由度向上など、新たな利用シーンの提案も行っていく方針だ。
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