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2025年09月02日

【映画館市場】2024年度は4年ぶり縮小、2775億円に減少

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■メガヒット不足と運営コスト増が影響、減収減益傾向強まる

 帝国データバンクは9月1日、全国の映画館市場に関する動向調査(2024年度)の結果を発表した。同調査によると、2024年度の国内映画館市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比3.3%減の2775億円となり、コロナ禍で大幅に落ち込んだ2020年度以来、4年ぶりに市場が縮小した。企業の業績動向では、売上高が「増収」だった企業の割合は26.5%にとどまり、前年度の45.4%から大幅に低下。一方、損益面では最終的な損益が「赤字」となった企業が44.8%を占め、こちらも4年ぶりに拡大した。メガヒット作の不足や洋画の配給本数減少に加え、定額制動画配信サービスの浸透が市場縮小の主な要因とみられる。

■洋画不振と配信サービスの浸透が構造的課題に、鑑賞料金の値上げも及ばず

 2024年度は、邦画で『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』や『キングダム 大将軍の帰還』などのヒット作が生まれたものの、興行収入400億円を超えた『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(2020年公開)のような、市場全体を牽引するメガヒット作に恵まれなかった。また、米ハリウッドでの脚本家や俳優によるストライキの影響で洋画の配給本数が減少し、集客に苦戦する映画館が目立った。さらに、NetflixやAmazonプライムビデオといった動画配信サービスがコロナ禍を機に普及し、「映画館で映画を観る」という体験が日常的な娯楽としての地位を相対的に下げたことも逆風となった。運営コスト面では、人件費や電気代、フードサービスの仕入れ価格などが上昇。多くの映画館が鑑賞料金の値上げなどで対応したが、入場者数の減少を補えず、「減収減益」の傾向が強まる結果となった。

■2025年度は『鬼滅』『国宝』で2800億円回復予想

 2025年度の映画館市場は、前年度から微増の2800億円前後での推移が予想される。夏に公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』が公開1カ月で興行収入257億円を突破したほか、実写邦画『国宝』も22年ぶりに興行収入100億円を超えるなど、メガヒット作が相次いでいることが好材料。これらの作品は映画ファン以外の一般層を映画館に呼び戻す効果もみられ、客足の回復を後押しする。しかし、低迷が続く洋画の本格的な復調には時間を要する見通しで、動画配信サービスとの競合という構造的な課題も残る。一部のヒット作に依存する収益構造からの脱却が、業界の持続的な成長に向けた鍵となりそうだ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:58 | 政治・経済・調査結果