
■トランプ演説が誘発した「期待先行→失望」の急変相場
まるで大仕手のような値動きである。担ぎ上げた後にハシゴを外して振るい落とす展開に翻弄された。米国のトランプ大統領である。日本時間2日午前10時に全世界へライブ中継された国民向け演説が、「トランプ・トラップ」の発動となった。前日1日にはイランでの軍事作戦の早期終結をにおわせる発言を繰り返したが、実際の演説では戦果の説明に終始し、新たな進展や停戦に関する言及はなかった。
■日経平均、急騰から急落へ、投資家心理の脆さ露呈
1日の東京市場では即時停戦期待から日経平均株価が2675円高と今年最大の上昇幅を記録し、2日も会見前までは518円高と続伸していた。しかし膨らんだ期待は一転し、日経平均は1446円安と急落した。昨年4月の相互関税発動以降、「TACO」などと揶揄されるトランプ大統領の言動には市場も慣れているはずだが、リスクオン局面ではトレンドを追随せざるを得ない投資家心理が改めて露呈した。
■全面安回避と個別物色の継続、相場の底流に残る買い意欲
それでも2日の市場は全面安には至らなかった。東証マザーズ市場では値上がり銘柄が20%超、年初来高値更新銘柄も83銘柄に達した。3日の前週末には日経平均が660円高と反発し、マザーズの値上がり銘柄比率は75%に拡大した。個別銘柄の先行きはイラン情勢に左右されるものの、市場にはなお押し目買い意欲が残る。トランプ大統領の強硬姿勢が最終的に後退するとの見方が一定程度織り込まれている可能性もある。
■「AI」から「WTI」へ、投資テーマ転換と分散戦略の必要性
問題は、トランプ大統領の動きを踏まえた銘柄選別である。相場のキーワードは、戦争前のハイテク中心の「AI」から、戦後は原油価格を示す「WTI」や「ホルムズ海峡」へと移行している。どちらに軸足を置くかが重要だが、それ以外の選択肢として注目されるのが株式分割権利落ち銘柄である。軍事衝突における非対称戦と同様、株式投資でも非対称的なリスク回避戦略が有効となり得る。
■57銘柄が理論価格割れスタート、割安修正の動き顕在化
3月30日に権利落ちした銘柄は57銘柄に上る。同日は日経平均が1487円安と急落した影響で、すべての銘柄が理論価格を下回って始まった。ただ過半は投資採算面で割安・売られ過ぎを示し、前週末3日にかけて理論価格を上回る銘柄も現れた。株式分割は投資単位を引き下げ、流動性向上と投資家層拡大を図る資本政策であり、投資しやすい価格帯への移行を促す。売買単位50万円以下を目安とする東証の方針に合致する銘柄も多い。3月期決算の動向を見極めつつ、理論価格を基準に割安な分割権利落ち銘柄へ分散投資する戦略は、脱「トランプ・トラップ」の有効な一手となり得る。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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