
■過半が割安圏、3日までに理論価格上回る銘柄も出現
今回のコラムでは、株式分割の権利落ち銘柄に着目した。権利落ち後銘柄は57銘柄に上り、同日は中東情勢の緊迫化を背景に日経平均が1487円安と急落した影響で、全銘柄が理論価格を下回って始まった。ただ過半は割安・売られ過ぎを示唆し、前週末3日にかけて理論価格を上回る銘柄も出現した。株式分割は投資金額の引き下げと流動性向上を目的とする資本政策であり、3月期決算を視野に理論価格ベースでの選別投資が有効とみられる。
■地銀株の分割ラッシュと極低位PER株、次期業績動向も焦点
分割権利落ち銘柄で多数派を占めるのは地銀株である。8行を数え、コード番号順に挙げると三十三フィナンシャルグループ<7322>(東証プライム)、十六フィナンシャルグループ<7380>(東証プライム)、あいちフィナンシャルグループ<7389>(東証プライム)、七十七銀行<8341>(東証プライム)、岩手銀行<8345>(東証プライム)、百十四銀行<8386>(東証プライム)、大分銀行<8392>(東証プライム)、宮崎銀行<8393>(東証プライム)と続く。分割比率は1対3〜5と大きく、このため権利付き最終値が8行の中で9970円と最も高かった大分銀行(1対5分割)は、権利落ち後の理論価格が1994円となり、投資しやすい水準となった。8行のうち3行の前週末3日の終値は理論価格を下回ったが、金利上昇による利ざや拡大を背景に業績の上方修正や増配を重ね、投資採算面では割安水準にある。今年4月27日、28日に開催予定の日本銀行金融政策決定会合での政策金利動向や、預金獲得競争に対応した経営統合・業界再編も株価の押し上げ要因となり得る。かんぽ生命保険<7181>(東証プライム)も同セクターの関連銘柄として注目される。
この地銀株以上に出遅れが目立つ超低PER株も多い。亀田製菓<2220>(東証プライム)の3.9倍を筆頭に、南海プライウッド<7887>(東証スタンダード)、守谷商会<1798>(東証スタンダード)、東京鉄鋼<5445>(東証プライム)、日本精鉱<5729>(東証スタンダード)、イチケン<1847>(東証スタンダード)、SBIリーシングサービス<5834>(東証グロース)、ケイアイスター不動産<3465>(東証プライム)、日清オイリオグループ<2602>(東証プライム)、バッファロー<6676>(東証スタンダード)が続く。亀田製菓のように子会社連結化に伴う特別利益計上で低PERとなった例もあり、特別利益剥落後の次期業績動向の見極めが欠かせない。一方、同社株は前週末3日に分割権利落ち換算で年初来高値(4500円)を更新した。
■「WTI」から「AI」への回帰なら主力株にリターン・リバーサル余地
相場全体が軍事衝突後の動揺を織り込み、キーワードが「WTI」から「AI」へ再び転換する局面では、株式分割権利落ち後の主力株にもリターン・リバーサル狙いの下値買い余地が広がる。データセンター関連のフジクラ<5803>(東証プライム)、半導体製造装置のマルマエ<6264>(東証プライム)、SCREENホールディングス<7735>(東証プライム)、防衛関連の川崎重工業<7012>(東証プライム)、キャラクター関連のサンリオ<8136>(東証プライム)、日本電技<1723>(東証スタンダード)などが挙げられる。フジクラは1対6の分割により、権利付き最終日の終値2万7630円に対する理論価格が4771.1円となり、投資単位金額は50万円を下回る水準となった。同業他社と比べても取り組みやすい株価帯に位置している。
株式分割権利落ち銘柄の人気が回復すれば、今後分割を予定する銘柄への先回り買いも強まる可能性がある。4月30日基準では三機工業<1961>(東証プライム)、くら寿司<2695>(東証プライム)、アセンテック<3565>(東証スタンダード)、NE<441A>(東証グロース)、HUMAN MADE<456A>(東証グロース)が対象となる。さらに6月末割り当ての花王<4452>(東証プライム)、パイロットコーポレーション<7846>(東証プライム)、7月末割り当てのMマート<4380>(東証グロース)は中期視点での対応が有効とみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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