
■地政学リスクが変える相場の主役、AIからWTIへ
相場は時として、一人の指導者の言動に激しく揺さぶられる。今回の「トランプ・トラップ」は、その典型例と言えるだろう。イラン情勢の即時停戦という「期待」という名の虚像を担ぎ上げ、演説という現実でそのハシゴを外す。前日の歴史的な暴騰が、翌日の急落をより残酷なものに仕立て上げた。
しかし、この混乱を単なる「地政学リスク」として片付けるのは早計である。市場の深層では、投資家の目はすでに次なるステージを捉えている。ハイテク主導の「AI」相場から、実需と危機を反映する「WTI(原油価格)」や「ホルムズ海峡」へと主戦場が移った事実は、投資家がより現実的なリスク管理を求められている証左である。
■理論価格を下回る割安銘柄、流動性向上がもたらす投資好機
ここで注目すべきは、軍事衝突で語られる「非対称戦」の概念だ。強大な力を持つ側に対し、異なる戦術で対峙するように、株式投資においてもマクロの嵐に正面から挑む必要はない。その有効な手段の一つが、3月末に権利落ちを迎えた株式分割銘柄への着目である。
相場全体の地合い悪化に巻き込まれ、本来の価値である「理論価格」を割り込んだ銘柄群は、いわば「過剰に振るい落とされた」状態にある。株式分割によって投資単位が下がり、個人投資家が参入しやすくなったこれらの銘柄は、流動性の回復とともに再評価される可能性が高い。
不透明な「トランプ・トラップ」に翻弄され続けるのか、それとも足元の割安な果実を拾い上げるのか。理論価格という確かな物差しを持ち、分散投資という盾を構えること。それこそが、非対称的なリスク回避を実現し、荒波の先にあるリターンを掴むための、プロフェッショナルな作法といえる。
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