
■倒産最多水準と淘汰進行、警備業の現状
東京商工リサーチ(TSRデータインサイト)は4月5日、警備業の動向を発表した。2025年度(4―3月)の倒産は2月までに21件に達し、2007年度、2024年度に並ぶ過去20年間の最多水準となった。2025年の休廃業・解散も108件と2年連続で100件を超え、中小業者の淘汰が加速している。人手不足や賃上げ圧力に加え、AIや監視システム導入に伴う投資負担が重く、体力の乏しい企業ほど経営環境が厳しさを増している。
■人手不足と高齢化が構造的課題に
警備業は施設警備や交通誘導など労働集約型の業務が中心で、厳しい労働環境と賃金のミスマッチから慢性的な人手不足が続く。2026年1月の「保安職業従事者」の有効求人倍率は6.59倍と全体平均の約5倍に達した。警察庁によると警備員の47.0%が60歳以上で、70歳以上も20.9%を占めるなど高齢化が進行する。一方、20代・30代は19.4%にとどまり、若年層の確保が大きな課題となっている。
■AI導入進展も中小に重い負担、格差拡大
AIカメラや遠隔監視など先端技術の導入が進み、省人化への期待が高まる一方、設備投資負担は大きい。大手企業は積極投資を進めるが、中小企業は資金面で後手に回り、規模間格差が拡大している。現場では依然としてホワイトボードによるシフト管理も残り、労務管理のIT化も課題である。人手不足、高齢化、テクノロジー対応が同時に進行するなか、警備業界は事業存続の転換点にあり、大手寡占の進展も視野に入る局面となっている。
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