
■2025年手形交換高69兆円、1990年比で大幅縮小
東京商工リサーチ(TSRデータインサイト)は4月6日、2025年「手形・でんさい」動向調査を発表した。紙の手形・小切手による決済は2027年3月末で終了する予定であり、長年にわたり中小企業の資金繰りを支えてきた手形制度は転換点を迎えている。一方で、印紙税や保管コスト、紛失リスクなどの課題から利用は減少し、2025年の手形交換高は69兆249億円(前年比14.7%減)と、ピーク時の1990年の1.4%まで縮小した。
■でんさい普及進むも紙依存なお残る
2013年に導入された電子記録債権(でんさい)は、政府や金融機関などが普及を後押ししている。2025年のでんさい額は49兆4025億円(前年比13.1%増)となり、登録者数も55万6977社(同8.4%増)といずれも過去最高を更新した。ただし、手形交換高は依然としてでんさい額の1.4倍に達しており、多くの企業が紙の手形や小切手を利用し続けている。金融機関では手形帳の発行終了など移行対応が進んでいる。
■支払サイト短縮と移行の課題
手形の支払サイトは、かつて210日といった長期も存在したが、2024年11月の下請法(現:取適法)改正により、支払期日は原則60日以内へと短縮された。これに伴い、長期サイトの手形や電子記録債権の交付は行政指導の対象となる。でんさいはコスト削減や事務効率化などの利点がある一方、商習慣や電子化対応の遅れが移行の障壁となる。廃止まで1年を切るなか、金融機関による周知と資金繰り支援が急務となっている。
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