
■4月相場振り出し回帰、米イラン協議決裂で「トリプル安」懸念再燃
新年度の4月相場は、折り返しを過ぎようとしているにもかかわらず、再び振り出しに戻った可能性がある。前週末11日に始まった米国とイランの和平協議は夜を徹して行われたものの、わずか1日で物別れに終わったと報じられた。2週間とされた一時停戦の行方は不透明で、期限を待たず戦闘が再開されるのか、ホルムズ海峡の通航がどうなるのかなど不確実性が高まっている。これにより原油先物(WTI)価格は乱高下し、インフレ再燃や金利上昇を通じて「トリプル安」懸念を再び強める可能性がある。トランプ大統領は、イランによる通航料徴収を認めないとし、米国がホルムズ海峡を封鎖する可能性に言及したとされる。
■4月後半に重要イベント集中、日銀・FOMCと決算発表で投資マインド揺れる
このほか4月後半の相場は、半月ほどの間に重要なイベントが集中している。日本銀行の金融政策決定会合は4月27〜28日、FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公開市場委員会)は4月29〜30日に開催予定である。これに先立ち、米国では今週から2026年1〜3月期決算の発表が本格化し、日本でもピークは大型連休後の5月第2週となるが、4月中にも全体の約17%が発表を予定している。大型連休を安心して迎えられるか否か、投資マインドは大きく揺れ動く局面となりそうだ。
■TSMC最高売上とファーストリテイリング上方修正、決算が相場を下支え
もっとも決算発表自体は、相場にとって一定の下支え要因となる。前週10日に台湾積体電路製造(TSMC)が発表した2026年1〜3月期業績は過去最高の売上高となり、株価は1.5%上昇、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が2日連続で過去最高値を更新する牽引役となった。日本でもファーストリテイリング<9983>(東証プライム)が今8月期業績の2回目の上方修正と増配を発表し、株価は7万5540円まで上昇、一銘柄で日経平均株価を650円超押し上げた。同水準は2023年2月の株式分割(1株→3株)を勘案すると、2021年3月の上場来高値11万500円を実質的に更新した水準である。
■第2のファーストリテイリング探し、上場来高値株に選別物色の波
こうした日米の株価上昇は、厳しい相場環境下にあって「木を見て森を見ない」個別株物色が始まる兆しとも捉えられる。企業業績は地政学リスクや金融政策、サプライチェーン動向の影響を受け上下に振れやすいが、だからこそ好決算銘柄は勝ち組として際立ち、資金が集中しやすい。「木を見る」個別銘柄を先取りする投資スタンスも、有効な選択肢となり得る。
そこで本コラムでは、「第2のファーストリテイリング」を探る観点から、上場来高値更新銘柄および日本経済新聞が集計する10年来高値更新銘柄に注目する。もっともこれらは市場全体では少数派であり、前週末10日も値下がり銘柄が全体の66%超を占める中、年初来高値更新銘柄は139銘柄、そのうち10年来高値更新銘柄は70銘柄、さらに上場来高値更新銘柄は39銘柄であった。上場来高値更新銘柄には株式分割考慮後の更新も多く、材料はファンダメンタルズ、需給、テクニカルなど多岐にわたる。高値更新後に青空相場へ直行するとは限らないが、個別物色の継続は十分に見込まれる。中でもPERが市場平均を下回るバリュー株に絞り、投資機会を探りたい。地銀株、小型化学株、機械株、小型エレクトロニクス株などが有力候補となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!

































