
■強気相場の中の踊り場、選別物色の潮流をどう読むか
新年度入り後の4月相場は折り返しを過ぎ、日経平均株価は6万円台を視野に入れる水準まで上昇し、歴史的な強気地合いが続いている。足元では利益確定売りに押される場面も見られるが、過熱感を冷ます日柄調整の範囲にとどまっており、基調としての先高期待は維持されている。ただし、楽観ムードのなかで警戒すべきは外部環境の変化である。中東情勢を巡っては、米国とイランの対話進展への期待が後退し、ホルムズ海峡の通航リスクが改めて意識されている。原油価格の変動は、金利上昇や株価の変動、為替の不安定化を通じて相場の重しとなる可能性があり、高値圏にある市場の不安定要因となり得る。
一方、相場の基盤を支えているのは企業業績の底堅さである。とりわけ生成AI需要の拡大を背景に、半導体受託生産の世界最大手であるTSMCが過去最高益を更新したことは、ハイテク株全体の評価を押し上げる材料となった。国内でも指数寄与度の高い小売大手などが相次いで業績上方修正や増配を発表しており、収益力の高い銘柄への資金集中が続いている。こうしたファンダメンタルズの裏付けが、地政学リスクに対する一定の耐性として機能している。
■金融政策と決算発表が交錯、市場の次の分岐点へ
今後の焦点は、4月後半に控える重要イベントに対する市場の反応である。日本銀行の金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)は、為替や金利の方向性を左右する節目となる。また、国内企業の決算発表が本格化するなか、投資家の選別姿勢は一段と強まる見通しである。大型連休を前に、外部環境の不透明感を背景としたポジション調整の売りが出やすい局面でもあり、高値更新期待と慎重姿勢が交錯する展開が想定される。
この局面では、指数全体の動きに過度に振られるのではなく、個別銘柄の実力を見極める視点が重要となる。市場全体が一時的に調整色を強めても、業績成長力の高い銘柄は上場来高値を更新し、独自の上昇基調を維持する例が見られる。とりわけPERが市場平均を下回る割安株や、PBR1倍割れの状態にある地銀・機械セクターには見直し余地が残る。6万円台を目指す過程においては、真の割安株を見極める選別投資の重要性が一段と高まる局面にある。
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