
■非弁行為懸念で3割が連絡を拒否、残業代請求など通知経験も3割に到達
東京商工リサーチ(TSRデータインサイト)は4月15日、企業の「退職代行」に関するアンケート調査結果を発表した。弁護士や労働組合以外の退職代行業者から連絡があった場合、「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」とする企業は30.4%に達した。さらに、残業代請求や退職日調整など、非弁行為に触れる可能性のある通知を受けた企業も30.4%と同水準であり、法的リスクへの警戒が企業の対応姿勢に影響している。退職代行を巡っては逮捕事案や弁護士会の注意喚起もあり、企業側の見方は厳しさを増している。
■退職代行利用は8.7%、大企業で顕著な増加
2024年1月以降、退職代行を利用した従業員の退職があった企業は全体の8.7%で、前回調査から1.5ポイント増加した。規模別では大企業が21.3%と中小企業の7.8%を大きく上回り、約2.7倍の差が生じた。業種別では宿泊業が24.1%で最も高く、シフト勤務や対面業務の多さが影響しているとみられる。退職手続きが整備されている大企業ほど、代行利用による心理的障壁が低い点も背景にある。
■企業対応は分岐、仲介容認が最多も拒否姿勢も一定数
退職代行業者からの連絡への対応は、「業者を間に挟み退職手続きを進める」が41.3%で最多となった。一方、「連絡内容に従う」は28.2%、「取り合わない」は30.4%と、対応は分かれている。大企業は仲介容認が50.0%と高く、中小企業は拒否姿勢が31.0%とやや強い傾向を示した。産業別では不動産業が38.9%で最も拒否割合が高く、運輸業、建設業が続いた。
■採用判断にも影響、7割超が慎重または不採用
採用活動では、求職者の退職代行利用歴について「採用に慎重になる」が49.3%、「採用しない」が26.0%と、計75%以上が否定的な影響を認識した。「影響しない」は23.7%にとどまる。なお、退職代行業者の事件後も「連絡に変化はない」とする企業は37.7%で、大勢に大きな変化は見られない。利用の拡大と法的リスクの顕在化を背景に、企業・求職者双方に慎重な対応が求められる局面に入っている。
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