
■中東情勢と決算が左右する株価の行方
地政学リスクは、「一寸先は闇」の様相である。米国のトランプ大統領は、あす21日にイランとの2回目の和平協議に向け、パキスタンのイスラマバードへ代表団を派遣すると発表したが、イランは協議を拒否したと伝えられている。また米国はホルムズ海峡の逆封鎖を継続し、イランはこれを停戦違反として同海峡を再封鎖し、航行中の船舶を攻撃した。停戦期限の今週22日を前に、戦闘終結か再開かが日替わりで揺れ動き、警戒レベルは一段と高まっている。
マーケットは前週末17日に和平合意を先取りしているため、週明けは再び「ちゃぶ台返し」への警戒が必要となる。ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物(WTI)価格は17日に一時1バレル=80.56ドルと今年3月上旬以来の安値に急落し、日米株価もそろって上場来高値を更新、SOX(フィラデルフィア半導体株指数)も13連騰で最高値を更新した。市場のキーワードは「WTI」から「AI(人工知能)」へ移行しつつあるとのコンセンサスも形成されていたためである。
■日経平均最高値更新の裏で進む選別相場、全面高からハイテク偏重へ構図一変
ただし、手放しの楽観論でもない。日経平均株価は前週16日に今年2月27日の史上最高値を更新したが、当時とは市場の様相が異なる。2月の高値時はほぼ全面高で、「八百屋の店先の大根以外はすべて買い」とも言える状況であったのに対し、今回は指数寄与度の高いハイテク株主導で、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が日によって逆転する場面もあった。トランプ大統領の「ディール(取引)」への警戒感はなお根強い。
このため、ハイテク主導相場が週明けに急失速するのか、それとも持ちこたえて二極化相場が続くのか、あるいは物色の広がりで相場全体が押し上げられるのかは、中東の地政学リスクの動向と、これから本格化する決算発表に左右される公算が大きい。20日から大型連休前の30日までに300社強、連休明けのピークとなる5月第2週には2400社強が決算を発表する。昨年2025年4月の決算では相互関税の不透明感から業績ガイダンス未定とする企業も目立ったが、今回は地政学リスクの影響度が焦点となる。前回の再現は避けたいところであり、決算内容がリスクを上回るポジティブな材料となることが期待される。
■AI主導相場の次はどこへ、2番手・3番手銘柄に資金シフトの兆し
主導役はAI関連の主力銘柄である。半導体関連株の決算は今週後半から28日まで、電線株は5月第2週に集中する。業績ガイダンス次第で株価は大きく振れる可能性があるが、多くが値がさ株でPERが市場平均を上回る点は課題である。このため、出遅れた2番手・3番手銘柄への資金シフトが見込まれる。
そこで本コラムでは、データセンター関連の電気工事株、電力設備投資関連の電力機器株・電子部品株に注目する。電気工事株は2月の高値更新時に前期業績の上方修正を材料に上場来高値更新が相次いだ後、1カ月超の調整局面にある。決算は4月末までに集中しており、ガイダンス次第では2月相場の再現も視野に入る。先行して動きの出ている電力機器株、電子部品株と併せて注目したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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