■卓球で一流選手に勝利した自律システムを発表
ソニーグループ<6758>(東証プライム)傘下のソニーAIは4月22日、卓球競技で一流選手に勝利した自律型ロボットシステム「Ace」に関する研究成果を発表した。同成果は国際科学誌Natureに掲載され、表紙を飾った。現実世界のスポーツ競技でロボットが一流選手と対戦し勝利した事例は世界初とされ、AIとロボティクス分野における重要な到達点といえる。

■仮想世界から現実世界への技術的飛躍
従来、AIはチェスや囲碁など仮想空間で超人的な性能を示してきたが、現実世界での高速な認識・判断・制御は大きな課題だった。Aceは独自のセンサー技術、強化学習、精密なハードウェアを融合し、人間の反応速度に迫る高速インタラクションを実現した。「グランツーリスモ・ソフィー」の研究を基盤に、フィジカル環境へ適用を拡張した点も特徴である。
■高度な認識・制御技術で競技レベルを実現
同システムは9台のカメラとイベントベースビジョンセンサーを組み合わせ、ボール位置や回転をリアルタイムで把握する。モデルフリー強化学習による意思決定と高精度なロボット制御により、一流選手に対し5戦3勝を記録し、最大450rad/sの回転でも75%超のリターン率を達成した。サーブ得点でも人間を上回るなど、高い競争力を示した。
■継続的進化と応用領域の拡大
論文投稿後も性能向上が続き、2026年3月にはプロ選手3名全員から勝利を挙げるなど進化が確認された。同研究はスポーツにとどまらず、リアルタイム性と安全性が求められる産業分野への応用が期待される。フィジカルAIが人間と同等以上に動作可能であることを示し、現実世界における新たな応用の可能性を切り開く成果といえる。
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