
■AI相場圏外でノーマークのGW関連株にも売られ過ぎ修正のリベンジ可能性
まるで「一将功成って万骨枯る」かのようなマーケット状況である。AI(人工知能)関連株(一将)の一人勝ち、独壇場だ。買うから上がる、上がるから買うというトレンドが途切れる気配はない。「AI株に非ずば株に非ず」とばかりに、残りのその他大勢(万骨)株にはまったく見向きもされず、値を崩す自然崩壊銘柄も少なくない。
前週末24日の日経平均株価は575円高、0.98%高と反発し、再び6万円台を意識する展開となった。一方、東証株価指数(TOPIX)は4日ぶりに反発したものの0.01%高にとどまり、日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は16.0倍と過去最高を更新した。
指数寄与度の大きいAI関連株のアドバンテスト<6857>(東証プライム)、ソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)、イビデン<4062>(東証プライム)の3銘柄だけで日経平均株価を537円押し上げた結果である。
東証マザーズ市場の値上がり銘柄も全体の約35%にすぎず、約61%のその他大勢銘柄は下値調整を余儀なくされ、年初来安値更新銘柄は199銘柄に上った。その後の米国市場でも、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は小幅続落したものの、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は実に18連騰して最高値を更新するなど、同様の相場展開を強めている。きょう週明けの東京市場も、AI関連株中心のスタートになりそうだ。
■「陰が極まれば陽に転ずる」相場、無視された61%銘柄に逆襲の可能性
ということは、その他大勢銘柄は、下がるから売る、売るから下がるというトレンドから抜け出せず、AI関連株とは天国と地獄ほどのギャップが生じる懸念がある。AI関連株を買いそびれ、乗り遅れた投資家にとっては、何とも悩ましい週明けになりそうだ。
ただ「一寸の虫にも五分の魂」である。相場アノマリーでも、「陰が極まれば陽に転ずる」と教えている。前週末24日に値下がりした61%のネグレクト(無視)されたノーマーク銘柄のなかにも、トレンドに抵抗する銘柄が出てくる可能性がある。あるいは、少し風向きが変われば、再びチャンスが巡ってくることを示唆してくれるかもしれない。
しかもタイミング的にも、ゴールデンウイーク(GW)明けに決算発表が本格化する。この決算内容が、その可能性に結びつくカギになる展開も想定される。
企業業績は、米国・イスラエル・イラン戦争の長期化、ホルムズ海峡閉鎖による原油価格上昇や金利上昇など、アゲインストな事業環境下にある。決算発表では、保守的な業績見通しが中心となるガイダンス・リスクが懸念されているが、これをいい意味で裏切り、意外に健闘する業績実績や業績ガイダンスを示すケースが出てくれば、ノーマークだった分だけ急浮上する可能性も出てきそうだ。
■最大12連休の日並び、JTBは総旅行消費額1兆2876億円を予想
そこで今週の当コラムでは、その他大勢銘柄のなかでもノーマークだったGW関連株を取り上げる。今年のGWは日並びがよく、連休の谷間の4月30日と5月1日を休みとすると8連休、さらに連休明け後の5月7日、8日も休みとすると12連休にもなる。
前日25日のテレビニュースでは、連休を海外で楽しむため、成田国際空港で出国ラッシュになったとも報道された。JTBが今年4月2日に発表した「2026年ゴールデンウイーク(4月25日〜5月7日)旅行動向見通し」でも、総旅行者数は2447万人(前年同期比1.9%増)、総旅行消費額は1兆2876億円(同1.1%増)と見込まれていた。
ところが、GW関連株はノーマークであった。毎年恒例のシーズンストック人気は、関連株のなかに年初来安値を更新する銘柄も続出するなど、不完全燃焼のままである。
■ノーマークのGW関連株、ホテル再編含みでリベンジ可能性
ノーマークだったことには無理もない面がある。まず当コラムの冒頭でも指摘したように、相場自体がAI関連株の一人勝ちとなり、GW関連株に見向きもされなかったことが挙げられる。
さらにバカンス環境も三重苦に見舞われている。第1は、いつ終わるとも知れない米国・イスラエル・イランによる武力衝突である。ホルムズ海峡の閉鎖、逆封鎖で原油先物価格が急騰し、航空燃料やガソリンの価格がつれ高となっている。大手航空会社は、価格上昇分を国際線運賃に上乗せする燃油サーチャージを実施し、旅行需要に冷や水を浴びせている。
第2は、昨年11月以来の中国外務省による日本への渡航自粛要請である。日本政府観光局が今年4月15日に発表した今年3月の訪日外客推計値でも、中国からの旅行者は前年同月比55.9%減となった。
これに加えて、4月20日に青森県で発生した最大震度5強の地震に対応して「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発令されたことも、旅行マインドにいささか響くのではないかと心配される。
■ワシントンホテルと藤田観光の提携・株主異動が再編思惑を刺激
しかし、このノーマークは、逆から見れば投資バリュー的にそれだけ割り負けていることにも通じる。現にGW関連の代表株であるホテル株は、PERが市場平均を下回っている銘柄が多数派で、なかにはPERが10倍を下回る銘柄も少なくない。
しかも業界の一部では、再編含みの動きもみられた。ワシントンホテル<4691>(東証スタンダード)と藤田観光<9722>(東証プライム)である。両社は、同じ「ワシントンホテル」ブランドを展開する企業同士として今年2月に再び業務提携し、合計客室数は国内ホテルチェーン業界の第6位にランクアップした。
次いで藤田観光では、大株主のDOWAホールディングス<5714>(東証プライム)が、その保有株を日本産業推進機構グループ(NSSK、東京都港区)に売却した。NSSKは、鴨川グランドホテルが2021年12月〜2022年2月にかけてMBO(現経営陣による株式公開買い付け)を実施し、上場廃止とした際のパートナーでもある。
さらに今年4月には、国内のホテルチェーン最大手のアパマンホールディング(東京都港区)が、ワシントンホテル株を5%強保有したことも明らかになった。こうした動きが、両社が予定している5月14日の決算発表時に、業績ガイダンスへどう反映されるかが注目される。
GW関連株は、ホテル株のほか、ホテルチェーン株、レジャー施設株、旅行代理店株、電鉄・航空の輸送機関株など多岐にわたる。そして共通しているのが、ノーマークだった分だけPER評価で割り負け、GW明け後に決算発表を予定していることである。
GW中の旅行・観光動向をウオッチしつつ、「一寸の虫にも五分の魂」としてリベンジ可能性にチャレンジするのも一考の余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!

































