
【政策支援終息後の増加から一転、老舗の底力が倒産を抑制】
■老舗の倒産、4年ぶり減少、2025年度は120件
東京商工リサーチ(TSRデータインサイト)は、2025年度における業歴100年超の「長寿企業」倒産動向を発表した。倒産件数は120件(前年度比21.5%減)となり、4年ぶりに減少に転じた。年度全体の倒産件数(1万505件)に占める発生率は1.14%と、過去10年間で最低水準となった。コロナ禍の政策支援が終息した後、3年連続で増加していたが、2025年度は老舗ならではの強みを生かして売上減に歯止めをかけたとみられる。
■製造業が突出、販売不振が全体の7割
原因別では販売不振が86件(構成比71.6%)と最多で、全体の約7割を占めた。ただし、前年度の115件から大幅に減少し、件数全体の押し下げにつながった。赤字累積などの既往のシワ寄せは24件(同20.2%)で、過剰債務による経営行き詰まりや、第二会社方式による事業譲渡後の旧会社の債務整理なども含まれる。
産業別では製造業が47件(同39.1%)と約4割を占め、発生率も4.0%と突出した。業種細分類では生菓子製造業が最多の5件。形態別では破産が84件(同70.0%)と大半を占め、再建型は民事再生法の1件にとどまった。
■地域差も鮮明、四国の発生率4.8%が最高
地域別では、件数最多が関東の34件(同28.3%)だった一方、発生率では四国が4.8%と最も高く、北陸2.8%、東北1.7%と続いた。関東は0.9%、近畿は0.6%と大都市圏は低水準にとどまり、新設が停滞し、老舗企業の比率が高い地方ほど発生率が高い傾向が確認された。
■粉飾発覚の老舗2社が負債上位、「聘珍樓」も幕
2025年度の負債トップは製菓材料卸のサクライ(東京都、破産、負債73億900万円)、次いで狩野組(東京都、破産、負債36億円)だった。いずれも大正年代創業の老舗だが、簿外債務を伴う粉飾決算の発覚で急速に信用を失った。また、横浜中華街で「最古の中華料理店」として知られた聘珍樓(神奈川県、破産、負債12億1,000万円)や、富山の老舗旅館・喜泉閣(富山県、破産、負債8億7,000万円)など、知名度の高い老舗の倒産も相次いだ。業歴という看板だけでは経営を守れず、環境変化に対応し続ける不断の経営努力の重要性を改めて示す結果となった。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!

































