
■他人同士でも脳波や心拍が同調、満足感やウェルビーイングとの関連も確認
電通グループ<4324>(東証プライム)傘下の電通は5月1日、同社のスポーツ未来研究所が早稲田大学、東海大学との共同研究で、スポーツ観戦時に生じる人と人との「感情のシンクロ」の現象を確認し、その特徴を解明したと発表した。研究成果は、2025年9月の第27回日本感性工学会大会と、2026年2月の日本スポーツマネジメント学会第18回大会で発表した。
研究は、日本サッカー協会の協力の下、SAMURAI BLUEがFIFAワールドカップの出場権を獲得した2025年3月20日の日本代表対バーレーン代表戦を対象に実施した。埼玉スタジアム2002で観戦した日本人14人の脳波や心拍を測定し、観戦後の満足度や心理的なつながりを調査したほか、テレビなどで観戦した日本人817人にも試合当日と2週間後の2回、アスキング調査を行った。
分析では、友人間だけでなく、他人間でも脳波や心拍が同調し、感情がシンクロする傾向を確認した。友人と並んで観戦している場合でも、離れた席の他人とより強く同期する傾向があり、スポーツ観戦時の感情反応は個人的な関係性よりも、「同じ試合・同じ瞬間を共有している」状況に影響されることが示唆された。
感情のシンクロは、観戦後の満足感や没入感、他者との心理的なつながりを高める要因として機能し、ファンとしての自覚や共感、人生の充実感や幸福感とも関連することが分かった。電通は今後、調査データの分析・検証による研究を深め、スタジアムやイベント空間の体験設計、スポンサー企業のコミュニケーション、地域や社会をつなぐ施策などに同知見を活用し、スポーツを通じた新たな価値の創出を目指す。
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