(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

■売上は社会の入り口 テーマ株は売上の中から生まれる
企業を見るうえで、利益を重視するのは当然である。赤字を出してまで売上を追う経営に意味はなく、最終的に利益を生み出せるかどうかは大切な判断材料となる。しかし、現在の赤字だけで企業の将来性を決めつけると、成長の芽を見落とすことがある。今は先行投資の段階でも、数年後に大きな黒字へ転じる可能性があるなら、その時点の売上拡大には十分な評価の余地がある。
売上は社会の入り口である。企業にとっての売上、個人にとっての収入、国家にとっての貿易収支や経常収支は、いずれも社会との関係を映す数字といえる。社会に必要とされ、誰かの課題を解決し、生活や産業に役立っているからこそ、対価として売上や収入が生まれる。売上は単なる規模の数字ではなく、社会への貢献度や必要度を測るバロメーターでもある。
株式市場でテーマ株と呼ばれる銘柄は、将来の売上拡大が期待される企業から生まれる。言い換えれば、社会に対する「お役たち度」が大きく、これから需要が伸びる分野に位置する銘柄である。難病治療薬、介護ロボット、医療、環境、防災、AIなど、今は赤字でも社会的な必要性が高い事業には、将来の成長余地がある。
ただし、売上が伸びていれば何でもよいわけではない。採算性、競争力、資金力、経営の実行力を見極める必要がある。それでも利益は、売上という社会との接点の先に生まれる。テーマ株を探すとは、流行語を追うことではなく、社会の課題と企業の売上がどこで結びついているかを見抜く作業なのである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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