
【旅行意欲は堅調、決算発表で問われる集客力と利益改善の持続性】
■AI相場の陰で沈むレジャー施設株
株式市場では、AI・半導体関連株への資金集中が続く一方、レジャー施設関連株には出遅れ感が残る。「東京ディズニーリゾート」を運営するオリエンタルランド<4661>(東証プライム)は4月30日に一時2201円まで下落し、年初来安値を更新、2019年1月以来の低水準を付けた。日本スキー場開発<6040>(東証グロース)も4月30日に431円まで下落し、年初来安値圏に沈んでいる。「サンリオピューロランド」のサンリオ<8136>(東証プライム)も株式分割後の安値圏で推移しており、人気施設を抱える銘柄であっても、成長期待が先行していた銘柄ほど株価調整が目立つ。投資家の視線は、収益実態とバリュエーションに戻りつつある。
■GW需要は堅調、近場・短期型の消費が支えに
今回のゴールデンウィークは、旅行需要の底堅さが確認されている。JTBは、2026年4月25日から5月7日までのGW期間について、総旅行者数を2447万人(前年比101.9%)、総旅行消費額を1兆2876億円(同101.1%)と見込む。国内旅行者数は2390万人(同101.7%)と微増する一方、平均旅行予定費用は4万6000円(同97.9%)にとどまる見通しで、物価高を背景に近場・短期・自家用車利用の傾向が強まっている。
■低PER銘柄に広がる再評価の余地
こうした消費行動は、宿泊を伴う大型旅行だけでなく、日帰り・近距離のレジャー施設にも追い風となる可能性がある。4月30日時点の参考指標では、伊豆シャボテンリゾート<6819>(東証スタンダード)が9倍台、東武鉄道<9001>(東証プライム)が10倍台、ボウリング場のラウンドワン<4680>(東証プライム)が12倍台、「ハイブリッドコースター」を導入計画のグリーンランドリゾート<9656>(東証スタンダード)が12倍台、「東京サマーランド」と公営競馬の東京都競馬<9672>(東証プライム)が13倍台、体験型リゾートのリソルホールディングス<5261>(東証プライム)が17倍前後となっている。成長株としての高評価ではなく、割安感と実需回復を材料にした見直しが焦点となる。
■決算で問われる集客回復と利益率
もっとも、GW需要だけで株価反転を断定するのは早い。人件費、電気料金、修繕費、食材価格などの上昇はレジャー施設の利益率を圧迫しやすく、来場者数の回復がそのまま増益に直結するとは限らない。東武鉄道は4月30日に2026年3月期決算の発表を予定しており、GW明け後にはリソルホールディングス、ラウンドワン、グリーンランドリゾート、東京都競馬などの本決算や四半期決算の発表が相次ぐ。市場が注視するのは、集客数の伸び、客単価、コスト吸収力、そして会社側の通期見通しである。AI一極相場の陰で、実体消費を映すレジャー関連株が再評価されるか、決算ガイダンスが試金石となる。
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