
【米イラン停戦に揺らぎ、地政学リスクが相場の重荷】
■連休明け相場に浮上した新たな不安材料
ゴールデンウイークは早くもUターン・ラッシュが始まり、残りはあと1日となった。投資家の関心は、連休明け後のマーケット動向に移りつつある。3月期決算会社の発表は来週11日から15日にピークを迎えるため、好業績銘柄への期待が高まる可能性もある。ところが4日になって、ホルムズ海峡を巡る地政学リスクが再び急浮上した。
■米イラン停戦合意に揺らぎ、ホルムズ海峡が緊迫
イランがUAE(アラブ首長国連邦)の石油積出港を攻撃する一方、米中央軍はイランの小型船舶に損害を与え、イランのミサイルやドローンを迎撃したと発表した。米国とイランは4月8日以来、停戦状態にあり、パキスタンを仲介国とする和平協議も継続中とみられていたが、今回の軍事行動で情勢は一気に緊迫した。トランプ米大統領は、ホルムズ海峡に足止めされている船舶の護衛活動を開始する考えを示し、イランも対抗措置を取る姿勢を崩していない。
■WTI急反発、金先物急反落でリスクオフ色強まる
ホルムズ海峡の急変を受け、4日の米国市場ではダウ工業株30種平均が続落し、原油先物(WTI)価格は3営業日ぶりに急反発した。一方、金先物価格は3営業日ぶりに急反落した。WTI価格と金先物価格は、長期金利を介してトレードオフの関係を示しやすい。原油高はインフレ再燃懸念を通じて長期金利の上昇要因となり、金利のつかない金先物には下押し圧力がかかる。逆に原油安となれば、金先物価格には上昇余地が生まれやすい。
■「トランプ・ディール」再現期待が判断を難しくする
連休明け後の東京市場では、この価格メカニズムを重視するのか、米国とイランの和平協議進展に望みを託すのか、難しい選択を迫られそうだ。判断を複雑にしているのは、「トランプ・ディール」への成功体験である。2024年4月2日にトランプ大統領が相互関税を発動した際、日経平均株価は3万円割れに迫る水準まで急落したが、日米・米中関税交渉の進展を受け、5月29日には3万8454円まで急反発した。今年も2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃とイランの報復攻撃で日経平均は5万円割れ寸前まで下落したが、4月27日には初めて6万円台に乗せ、急落幅を取り戻した。
■AI・半導体主導の二極化相場に地政学リスクが加わる
いずれのリバウンド局面も、指数寄与度の大きいAI・半導体関連株が相場を主導した点で共通する。今年は米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が空前の18連騰で最高値を追ったことが東京市場にも波及し、値がさハイテク株が日経平均を押し上げた。一方で市場全体では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回り、年初来安値更新銘柄も相次ぐなど、勝ち組と負け組の二極化が強まっている。連休明け相場では、AI・半導体株の持続力に加え、ホルムズ海峡を巡る地政学リスクへの対応が焦点となる。
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