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2026年05月09日

我れ 動かざる銘柄には関心なし=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■我れ 動かざる銘柄には関心なし

 ここでいう「我れ」とは、配当収入をじっくり積み上げる投資家ではなく、値上がり益を狙う投資家を指す。なかでも、短期売買を得意とし、相場の流れや需給の変化を敏感に読み取る投資家である。彼らにとって重要なのは、企業内容の良し悪しだけではない。たとえ業績が堅調で、財務内容に安心感があっても、株価が動かなければ投資対象としての優先順位は下がる。1日、あるいは数日という短い時間軸の中で、どれだけ値幅を取れるか。そこに関心と勝負どころがある。

 現代のマーケットでは、情報の伝わる速度が格段に速くなった。決算、業績予想、資本政策、新製品、提携、為替、金利、海外市場の動きなど、さまざまな材料が瞬時に株価へ反映される。スマートフォンひとつで売買できる時代となり、投資家の判断も一段と速くなっている。こうした環境では、「良い会社だからいつか上がる」と漫然と待つだけでは、資金効率を損なう場面も少なくない。

 一方で、日本には「待つ」ことを重んじる投資文化がある。春に種をまき、秋に収穫を得るように、企業の成長を長い目で見守る姿勢は、決して古い考えではない。むしろ、長期投資の基本として今なお大切な価値を持つ。ただし、現代における「待つ」は、何もせずに株価の上昇を願うことではない。業績の変化を追い、株価の位置を確認し、出来高や需給を見ながら、動き出す可能性を探る能動的な姿勢が求められる。

 短期売買を単なる投機として退ける見方もあるが、短期資金の存在は市場の流動性を支えている。動く銘柄に資金が集まり、売買が膨らむことで、相場には活気が生まれる。逆に、誰も売買に参加せず、出来高が細れば、市場は価格発見の力を失いかねない。短期売買はリスクを伴う一方で、市場に熱量を与える役割も担っている。

■「待つ投資」と「動く投資」を使い分ける柔軟さ

 大切なのは、「待つ投資」と「動く投資」を対立させないことだ。長期で企業価値を見極める視点と、短期で株価の変化をとらえる視点は、どちらも市場に必要なものである。動かぬ銘柄をじっと抱えるだけが投資ではなく、動く銘柄を追うだけが相場でもない。自分の資金、時間軸、リスク許容度に応じて、どの局面で参加し、どの局面で見送るかを判断する力が問われている。

 「我れ 動かざる銘柄には関心なし」とは、値動きの激しい銘柄を無条件に追えという意味ではない。資金を眠らせず、相場の変化に敏感であれという戒めである。銘柄が動かない理由を見極め、動き出す兆しを探り、必要ならば素早く乗り換える。現代の投資家には、待つ忍耐と動く決断の双方を備え、静と動を使い分ける柔軟さが求められる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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