
■日経平均は過去最大の上げ幅から一転、トヨタ決算で「相場は暴発」の様相
「日本のピカソ」といわれた故岡本太郎氏は、『芸術は爆発だ』と喝破した。その岡本太郎氏も、『相場も爆発だ』と驚きの声を上げたのではないだろうか?ゴールデンウイーク明けの前週7日に日経平均株価が、連休中に溜め込んだエネルギーを一気に放出して3320円高と過去最大の上げ幅を記録し、東証プライム市場の売買代金も、10兆8448億円とこれまた過去最大を更新したからだ。ところが翌日の前週末8日は、日経平均株価が一時、695円安と反落し大引けにかけては下げ幅を縮小させたものの、後場取引時間中に3月期決算を発表したトヨタ自動車<7203>(東証プライム)が、業績期待が裏目に出て年初来安値を更新してしまった。故岡本太郎氏は、ことによったら打って変わって『相場は暴発だ』と首を傾げたかもしれない。
■史上最高値水準でも安値更新銘柄が続出、全面高ではなかった急騰相場
もともと過去最大の上昇幅となった7日も、全面高となったわけではなかった。東証プライム市場の値上がり銘柄は、全体の約76%に過ぎず約22%の銘柄が値下がりしていた。前週末8日も、日経平均株価が、120円安と3日ぶりに反落するなか、値上がりした銘柄は約45%、値下がり銘柄数は約52%と騰落銘柄数が逆転し、年初来高値更新銘柄と年初来安値更新銘柄、88銘柄対122銘柄と安値更新銘柄が多かった。日経平均株価が、史上最高値水準にいるなかでの、この安値更新銘柄の続出であり、そのなかには今期の業績悪を嫌ったトヨタ自動車<7203>(東証プライム)も含まれた。
■ソニーGは決算発表で急伸、自己株式取得・消却とTSMC提携が評価材料に
ただトヨタ自動車<7203>(東証プライム)と逆のパフォーマンスを示した銘柄も、目立った。ソニーグループ<6758>(東証プライム)である。同社株は、8日の12時に3月期決算を発表したが、その前の前場取引時間中に年初来安値3043円と売られており、決算発表と同時にマドを開けて3359円と急伸した。増益転換を予想した今3月期業績は、市場コンセンサスを下回ったものの、同時発表した2億3000万株(発行済み株式総数の3.89%)、取得総額5000億円の自己株式取得と自己株式消却が買い材料となった。その後、大引けでは、16円安とマイナス転換してしまったが、午後4時15分には同社子会社が、世界最大の半導体受託製造会社の台湾積体電路製造(TSMC)<2330>(台湾証券取引所)と次世代イメージセンサーの開発・製造で戦略的提携を締結したことを発表しており、これが今週週明けにどう評価されるか注目されている。要するにトヨタ自動車<7203>(東証プライム)とソニーGでは、決算プレーでは対照的なパフォーマンスをみせたことになる。
■2400社超の決算発表ラッシュ、業績ガイダンスと株主還元策が選別材料に
今週は、週末15日をピークに3月期決算会社の業績発表ラッシュとなる。これに加えて14日、15日には米中首脳会談が控えている。予測不可能といわれている「トランプ・ディール(取引)」である。トランプ大統領は、イランが回答した和平案に不満を示したともいわれており、関税交渉、台湾問題などでさらに何が飛び出すのか、融和か分断か、和平か戦争かなど相場の加速要因にも波乱要因となる可能性もありうかうかとは油断できない。これを横目にみながら今週は、2400社超が決算発表を予定しており、トヨタ型、ソニーG型のいずれの決算発表パフォーマンスを演じるのか競い合うことになる。各社の業績ガイダンスはもちろん、増配、自己株式取得、株式分割の株主還元策、さらに資本・業務提携、中期経営計画、新事業開始、新工場建設などの成長戦略も手掛かり材料となってくる。
■低PERと還元実績に注目
そこで今週の当コラムでは、「第2のソニーG」を期待して前週末8日に全市場で年初来安値を更新した218銘柄のなかから業績期待に応えてくれそうな銘柄をセレクトすることにした。前提は低PERでなおかつ過去に株式還元策の変更、増配、自己株式取得、株式分割などの実績のある銘柄である。主力株、小型株、万年出遅れ株などに数多く候補株が浮上しており、この決算発表日に「下げた株ほどよく戻す」かスタンバイしておくのも一法となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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