
【低PER、還元実績、業績回復余地を備えた銘柄に再評価の芽】
■年初来安値銘柄に残る反転余地
今週の株式市場では、年初来安値を更新した銘柄のなかから「第2のソニーG<6758>(東証プライム)」を探す動きが強まりそうだ。前週末8日には、全市場で218銘柄が年初来安値を更新した。相場全体が高値圏にあるにもかかわらず、個別では売り込まれた銘柄が多く、決算発表をきっかけとした反騰余地が意識される。
注目したい条件は、低PERであることに加え、過去に増配、自己株式取得、株式分割などの株主還元策を打ち出した実績があることだ。安値圏にある銘柄でも、今期業績見通しや還元策が市場予想を上回れば、ソニーG<6758>(東証プライム)のように決算発表を契機として評価が一変する可能性がある。
■東京建物、東急、KDDIなど主力株に注目
主力株では、東京建物<8804>(東証プライム)、東急<9005>(東証プライム)、KDDI<9433>(東証プライム)が候補に挙がる。いずれも日経平均構成銘柄であり、5月12日から13日にかけて3月期決算の発表を予定している。PERは11倍から13倍台と、市場平均を下回る水準にある。
東京建物<8804>(東証プライム)は、京橋三丁目開発事業や大阪南港エリアで進めるデータセンター建設など、大規模投資を吸収しながら今12月期第1四半期業績をどう着地させるかが焦点となる。東急<9005>(東証プライム)は、集計中の前3月期業績を2回上方修正し、増配も実施しており、今期ガイダンスへの期待が高い。KDDI<9433>(東証プライム)は、今年1月に子会社の不適切取引が判明して株価が急落し、前期業績も下方修正した。一件落着を示せるか、今期業績の方向性がカギを握る。
■割安中小型株は一過性要因の見極めが焦点
より割安感の強い銘柄では、PER4.9倍のアルゴグラフィックス<7595>(東証プライム)を筆頭に、ソマール<8152>(東証スタンダード)、塩水港精糖<2112>(東証スタンダード)、ホクリヨウ<1384>(東証スタンダード)、神栄<3004>(東証スタンダード)、夢みつけ隊<2673>(東証スタンダード)、ヤマックス<5285>(東証スタンダード)などが並ぶ。
アルゴグラフィックス<7595>(東証プライム)は、SCSKの株式公開買い付けに応募し、160億円超の株式売却益を計上したことが業績に影響している。5月15日の決算発表では、その一過性要因をどう乗り越え、今期ガイダンスを示すかが注目点となる。神栄<3004>(東証スタンダード)はコンデンサ事業撤退損による業績下方修正、ホクリヨウ<1384>(東証スタンダード)は鶏舎火災事故が株価の重荷となった。いずれも次期見通し次第で見直し買いの余地がある。
「下げた株ほどよく戻す」という相場格言は、決算発表期にこそ試される。もちろん、安値更新には相応の理由があるため、単純な値ごろ感だけで判断するのは危うい。ただし、低PER、業績回復余地、株主還元実績が重なる銘柄には、決算発表を契機とした再評価の芽がある。
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