企業情報オンライン(総合版) - You Tube
2026年05月23日

【小倉正男の経済コラム】エヌビディア AIデータセンターは「人類史上最大のインフラ投資」(フアンCEO) 需要旺盛で最高決算更新

ogura1.jpg

■売り上げ・純利益とも過去最高を更新

 米国半導体トップ企業のエヌビディアは、21日早朝(米国時間20日夕)に26年2〜4月決算を発表した。結果はAI関連の旺盛な需要を受けて売り上げ、利益とも過去最高を大幅更新している。

 売り上げは816億ドル(約13兆円・前年同期比85%増)、純益は583億ドル(9兆2700億円・同3.1倍)。1株当たり利益は1.87ドル(同2.4倍)。いずれも市場予想を大きく上回っている。配当は1セントから25セントに増配(超少額配当を継続)。

 決算と同時に800億ドル(12兆7200億円)という超巨額の自社株買いを発表している。凄まじい超大型の株主還元策というしかない。

 対売上純利益率は71%超、そして売上高総利益率は75%ということである。売り上げ即利益という状態。「AIファクトリーは人類史上最大規模のインフラ投資であり、きわめて速いスピードで進んでいる」(ジェンスン・フアンCEO)。

■データセンター売り上げが全体の92%を占める

 AIファクトリーとは、大規模GPUデータセンターなどAIインフラを指しているとみられる。エヌビディアの2〜4月決算の好調は、データセンターのAIサーバー用半導体の旺盛な需要をほぼ独占する格好で供給していることによる。

 エヌビディアが強みを持っている人間の指示なく自律的に仕事をする「AIエージェント」用半導体の需要増が大きく貢献している。

 データセンター向け半導体売り上げは752億ドル(前年同期比92%増)。全売り上げの約92%を占めている。AIデータセンター需要がいかに爆発的なものであるかを示している。

 しかし、フアンCEOは5〜7月決算ではデータセンター以外の成長基盤確保にも着手すると示唆している模様。自動運転、ロボティクス関連などに注力する見込みだ。確かにAIデータセンター需要の爆発は恩恵そのものだが、 “偏重”というか集中していることはどこまで続くのか、という不安を生じさせる。

■「フィジカルAI」で川重のロボット技術と融合

 ただし、AIデータセンター需要は技術革新を伴いながらまだまだ続くという見方が一般的である。それでもこうした「クライシス・マネジメント」感覚がないと、米国経営者は生き残れない。

 いまエヌビディアは川崎重工と協業という報道がなされている。エヌビディアはAIで制御する「フィジカルAI」技術の開発に取り組んでいる。その「フィジカルAI」を川重が手掛けているロボット技術に融合する試みとみられる。電光石火、動きはきわめて速い。

 ともあれエヌビディアは、次の5〜7月決算では売り上げ910億ドル(前年同期比95%増)、ほぼ倍増を目指すとしている。前四半期比でも11.5%増。売上高総利益率は75%を維持できる見込みだ。半導体では凄まじい覇権争いが繰り広げられているが、エヌビディアの業績右肩上がりは止まりそうにない。

■とんでもない金鉱掘り&スコップ屋

 産業革命期に蒸気機関車による「鉄道ブーム」「鉄道建設ブーム」というものがある。大量生産・大量消費は大量物流がなければ成立しない。これも人類史を飾るインフラ投資だったといえる。AIデータセンターというインフラ投資は、新しい産業革命の幕開けという現象を象徴しているのかもしれない。

 米国の19世紀半ば、「ゴールドラッシュ」時代に金鉱掘りより確実に儲けたのはスコップ屋、ジーパン屋という話がある。エヌビディアには金鉱掘りの面とスコップ屋の面の双方があるようにみえる。

 エヌビディアの時価総額5.5兆ドル(874兆円)、世界一というか断トツである。日本の国家予算(一般会計117兆円)の7.6倍、日本のGDP(670兆円)を軽く超える金額である。AIデータセンターの爆発的需要で時価総額は膨らみ続けている。

 ホンマかいな?グーグルでAIに聞いてみた。「エヌビディアの時価総額は日本のGDPを軽く超えているか」。ホンマや。とんでもない金鉱掘り&スコップ屋ということになる。(経済ジャーナリスト)

(小倉正男=「M&A資本主義」「トヨタとイトーヨーカ堂」(東洋経済新報社刊)、「日本の時短革命」「倒れない経営〜クライシスマネジメントとは何か」(PHP研究所刊)など著書多数。東洋経済新報社で企業情報部長、金融証券部長、名古屋支社長などを経て経済ジャーナリスト。2012年から当「経済コラム」を担当)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:42 | 小倉正男の経済コラム