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2026年06月02日

米AI開発企業アンソロピック、非公開でIPO申請、AI覇権争いが株式市場に波及

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■非公開S−1提出でAI企業は新たな局面へ

 米AI開発企業アンソロピックは2026年6月1日、米証券取引委員会(SEC)に普通株式の新規公開(IPO)に向けた登録書類S−1案を非公開で提出した。発行株数や価格はまだ決まっておらず、実際に上場するかどうかは、SECの審査や市場環境などに左右される。同発表は証券の売り出しや購入勧誘ではなく、1933年証券法規則135条に基づく告知にとどまる。

 ただ、株式市場にとっては、生成AI企業が未上場の成長段階から、公開市場で評価される段階へ移る可能性を示す動きとして注目される。

■650億ドル調達と9650億ドル評価が示す成長期待

 アンソロピックは5月28日、アルティメーター・キャピタル、ドラゴニアー、グリーンオークス、セコイア・キャピタルが主導するシリーズHで650億ドルを調達し、ポストマネー評価額が9650億ドルに達したと発表した。2月のシリーズG以降、世界のエンタープライズ顧客でClaudeの採用が拡大し、5月初めにはランレート収益が470億ドルを超えたとしている。

 Claude CodeやCoworkなど、業務支援型のAIツールが企業の中核業務に入り始めたことが、大型資金調達の背景にある。

■半導体・クラウドを巻き込むAI投資競争

 同社の成長は、AIモデルの性能だけでなく、大量の計算能力を安定的に確保できるかにも左右される。今回の資金は、安全性と解釈可能性の研究、Claude需要に対応する計算能力の拡大、製品やパートナーシップの強化に充てる方針だ。

 Amazonからの50億ドルを含むハイパースケーラーの事前コミット投資150億ドルに加え、マイクロン、サムスン、SKハイニックスなど戦略的インフラパートナーも加わった。さらに、Amazonとは最大5ギガワットの新規容量、GoogleおよびBroadcomとは次世代TPU容量5ギガワット、SpaceXとはColossus1およびColossus2のGPU容量へのアクセス契約を結んだ。

 AI相場は、ソフトウエア企業だけでなく、メモリ、ストレージ、ロジックチップ、クラウド基盤の需要を同時に押し上げる構図となっている。

■公開市場が問う収益性と持続力

 投資家の関心は、アンソロピックが高い成長をどこまで収益性につなげられるかに移る。ClaudeはAmazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureという世界最大級の3つのクラウドプラットフォームで利用できる初のフロンティアモデルとされ、導入先の拡大余地は大きい。

 一方で、計算資源の確保には巨額の先行投資が必要となり、電力、半導体供給、クラウド費用、規制対応もリスク要因となる。

 今後の焦点は、IPOの条件だけではない。公開書類で明らかになる売上構成、投資負担、顧客基盤、AI安全性への対応が、AI関連株全体の評価基準を左右することになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:16 | コラム