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2026年06月06日

上げ潮になれば満つるまで続くごとく相場も上げ続ける=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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【上げ潮相場は、流れが変わるまで悪材料をのみ込んで進む】

■上げ潮になれば満つるまで続くごとく相場も上げ続ける

 海が満潮に向かうと、干潟や岩場が次第に水面の下へ隠れていく。株式相場もこれに似ている。いったん底打ちし、上昇基調へ転じると、目先の悪材料や不安材料を抱えながらも、買いの勢いがそれらを包み込み、相場全体を押し上げていく局面がある。悲観が強かった場面ほど、流れが反転した後の上昇は意外に長く続くことがある。

 2015年8月の中国ショック後の反転相場も、中国経済減速への懸念を残しながら、満ち潮のようにじわりと水位を上げていった。相場は、不安材料が完全に消えてから上がるわけではない。むしろ、多くの投資家が半信半疑で見ている間に、株価は着実に戻り歩調を強めていくことがある。上げ潮相場では、悪材料そのものよりも、それを市場がどこまで織り込み、なお買いが優勢であるかを見極めることが重要になる。

※2015年8月の中国ショック=中国景気の減速懸念や人民元切り下げをきっかけに、世界の株式市場が大きく下落した局面を指す。上海株の急落が投資家心理を冷やし、リスク回避の動きが世界に波及した。日本株も大幅安となり、中国経済への依存度や世界景気の先行き不安が強く意識された。

■天井を決めつけず、流れの変化を読む

 ただし、海の潮と違い、株式相場の「満潮」、つまり天井は事前に正確には分からない。前回の高値や過去の経験が目安になることはあっても、毎回同じ場所で止まるとは限らない。企業業績、金利、為替、海外市場、投資家心理など、相場を動かす条件は常に変化している。ここに相場の難しさがある。

 天井接近の一つのサインは、上昇の波が次第に弱まることにある。潮が満ち切る前には、押し寄せる波の勢いが鈍り、波頭が足元まで届かなくなるように、株価も上値を追う力が徐々に鈍る場面がある。高値を更新しても伸びが小さい、好材料に反応しにくい、押し目からの戻りが弱い――こうした動きが重なってくると、上げ潮相場の終盤に差しかかっている可能性を意識したい。

 相場で大切なのは、流れに逆らわず、同時に流れの変化を見落とさないことである。自然の潮の満ち引きを観察するように、株価の波、売買代金、市場心理、材料への反応を日々確認する。上げ潮の間は強気の流れを尊重し、波頭が低くなり始めたときには慎重さを取り戻す。その観察眼こそが、相場と長く向き合うための基本となる。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:00 | コラム