
■リモートワーク定着で既成スーツ伸び悩み、営業利益は130億円に減少
帝国データバンクは6月9日、上場主要「スーツ・紳士服7社」動向調査(2025年度決算)を発表した。2025年度(2025年4月〜26年3月期)の主要7社のスーツ事業売上高合計は3386億円となり、前年度比5.2%減と2年連続で減少した。リモートワークの定着や働き方の多様化により、従来の既成ビジネススーツやドレスシャツの販売は伸び悩んだ。
店舗数は2025年度末時点で2284店舗となり、コロナ禍前で最も多かった2017年度末の2997店から約700店、23.8%減少した。過去10年で初めて2300店を下回り、大規模な店舗整理の影響が残る。一方で、オーダースーツ特化型の小型店舗や、郊外ショッピングセンターなど集客力の高い施設への移転も目立つ。
■コスト高で営業利益は26%減
利益面では、2025年度決算の営業利益合計が130億円となり、前年度の176億円から26%減少した。円安による輸入生地などの仕入価格上昇に加え、人件費や光熱費など運営コストの高騰が重荷となった。連結売上高では紳士服以外の事業が好調なAOKIホールディングスが初めて青山商事を抜き業界首位となったが、スーツ事業単体では青山商事が依然トップを維持した。
市場縮小が続くなか、重要な商談やプロポーズ、結婚式などで着用する「勝負スーツ」需要が下支えとなり、オーダースーツが新たな成長エンジンとなっている。手ごろな価格の「パターンオーダー」や高付加価値のハイエンドモデルへの注力が進み、業界は「量から質」へ転換している。2026年度も、カジュアル・レディース領域の拡大、店舗の小型化・高効率化、ローコスト運営が重要課題となる見通しである。
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