
■AI・半導体相場は継続、値がさ株主導から個別選別へ
6月16日の東京株式市場で、日経平均株価は一時7万0020円68銭まで上昇し、取引時間中として初めて7万円台に乗せた。終値は前日比87円00銭高の6万9404円50銭と4日続伸した。前日15日に過去2番目の上げ幅となる3297円46銭高を演じた直後だけに、7万円到達後は達成感から利益確定売りも出た。
相場の底流にあるのは、なおAI・半導体関連株への資金流入である。米国市場では、米イラン合意による地政学リスクの後退と原油安を受け、ナスダック総合指数が3.1%高と急伸。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5.45%高の1万4099.62と大幅高となり、東京市場にも半導体株買いの地合いが波及した。
■東京エレクトロン、ソフトバンクGは下落、キオクシアとアドバンテストは上昇
ただ、16日の個別株動向は「半導体全面高」とは言い切れない。東京エレクトロン<8035>(東証プライム)は一時7万3130円まで買われたものの、終値は前日比1900円安の7万0860円。ソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)も一時7188円まで戻したが、終値は37円安の7102円だった。前日までの急伸で短期的な過熱感が意識され、値がさ株の一角には利益確定売りが先行した。
一方、キオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)は3810円高の9万4720円と年初来高値を更新し、アドバンテスト<6857>(東証プライム)も920円高の3万0340円と上昇した。AIサーバー向けメモリー需要、先端半導体投資、検査装置需要への期待が続き、半導体関連の中でも業績連動性の強い銘柄に買いが集中した。
■日銀利上げ通過で買い戻し、7万円台では上値の重さも
この日の後場には、日銀が政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げたことが材料となった。利上げは事前に織り込まれていた面が強く、イベント通過を受けて海外短期筋の買い戻しが入り、日経平均は7万円台へ駆け上がった。ただ、1.0%は31年ぶりの高水準であり、成長株にとって金利上昇は本来、バリュエーションの重荷となる。
7万円到達は相場の強さを示す象徴的な節目である。同時に、指数主導相場の危うさも浮かび上がる。日経平均は値がさハイテク株の影響を受けやすく、東京エレクトロンやソフトバンクGが失速すれば、指数全体の上値も重くなる。AI・半導体という大テーマは不変だが、ここからはテーマで一括りに買う段階ではない。
■上昇相場ほど問われる選別眼
注目すべきは、AI投資の恩恵がどこまで業績に直結するかである。データセンター投資、メモリー市況、先端パッケージ、半導体製造装置、検査装置など、同じ半導体関連でも収益機会は異なる。受注の伸び、利益率の改善、価格転嫁力、在庫循環の正常化を確認できる銘柄ほど、押し目で再評価されやすい。
日経平均の7万円台到達は、強気相場の終着点ではなく、次の選別相場への入口である。半導体・AI株は引き続き市場の中心にあるが、指数上昇に乗るだけの局面は過ぎつつある。上昇相場ほど、材料の鮮度と業績の裏付けを見極める目が問われる。
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