
■金利上昇の逆風を跳ね返す地価上昇、海外資金と富裕層マネーも支え
今週のコラムは不動産株に注目する。日銀の利上げに伴う住宅ローン金利上昇や建設資材高、人手不足が逆風となる一方、7月1日公表の路線価は前年比2.9%上昇と過去最大の伸びを記録。不動産各社では業績上方修正や好決算も相次ぐ。海外投資家や国内富裕層の資金流入、中古物件のリノベーション需要も追い風となり、銀行株に続くバリュー株の代役候補として、割安感と配当利回りを備えた不動産株の底力に注目が集まりそうだ。
■上方修正株、四半期大幅増益株が相次ぎ低PER株揃いをアピール
不動産株の業績上方修正は、2月期決算会社の第1四半期(1Q)業績発表と重なる今年6月末から相次いでいる。修正銘柄を時系列でみると、マリオン<3494>(東証スタンダード)、明豊エンタープライズ<8927>(東証スタンダード)、ホームポジション<2999>(東証スタンダード)と続いた。
マリオンは不動産流動化商品の好調、明豊エンタープライズは新築一棟投資用賃貸マンションの販売拡大などを背景に業績を上方修正し、両社とも業績修正と同時に今期配当を増額した。株価はマリオンが3割高した一方、他は小幅な反応にとどまり、PERはそれぞれ12倍、5倍、10倍となお割安水準にある。
■大幅増益でも低PER、決算評価余地の大きい銘柄群
四半期業績が大幅増益で着地した銘柄も評価余地がある。MORESCO<5018>(東証スタンダード)は、今2月期第1四半期の純利益が前年同期比3.08倍とV字回復し、株価がストップ高した。
不動産関連で該当銘柄を時系列に挙げると、アズ企画設計<3490>(東証スタンダード)、ファーストブラザーズ<3454>(東証スタンダード)がある。アズ企画設計の今2月期1Q純利益は前年同期比4.5倍、ファーストブラザーズの今11月期第2四半期累計純利益は同10.9倍で着地しており、PERはそれぞれ8倍、6倍と割安である。
■不動産テック・流動化関連にも決算期待
同じく不動産テックを駆使する流動化関連株の今後の決算発表も注目される。この関連の割安株では、PER5倍のアンビションDXホールディングス<3300>(東証グロース)、ロードスターキャピタル<3482>(東証プライム)をはじめ、ランディックス<2981>(東証グロース)、タスキホールディングス<166A>(東証プライム)、LIFULL<2120>(東証プライム)、SREホールディングス<2980>(東証プライム)などが要マークとなる。
■主力不動産株にもバリュー株買いが波及する可能性
小型不動産株が逆行高するなら、その流れが主力不動産株に波及し、バリュー株人気を一段と高める展開も想定される。
PER評価が市場平均の17倍を下回る銘柄が注目され、三井不動産<8801>(東証プライム)、平和不動産<8803>(東証プライム)、東京建物<8804>(東証プライム)、住友不動産<8830>(東証プライム)、東急不動産ホールディングス<3289>(東証プライム)、ヒューリック<3003>(東証プライム)、オープンハウスグループ<3288>(東証プライム)などが浮上しそうだ。
■富裕層消費へ波及なら百貨店・化粧品・高級消費関連も
さらに、海外投資家と並んで不動産取得の主要な需要主体となっている富裕層向けビジネスでは、まったく別のセクターにも評価が広がる可能性がある。
百貨店株ではJ.フロント リテイリング<3086>(東証プライム)、三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)、高島屋<8233>(東証プライム)、松屋<8237>(東証プライム)、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>(東証プライム)、化粧品では花王<4452>(東証プライム)、資生堂<4911>(東証プライム)が候補となる。
さらに、シチズン時計<7762>(東証プライム)、帝国ホテル<9708>(東証スタンダード)などにも、富裕層消費や資産効果を背景とした物色の出番が回ってくる可能性がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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