
■不確定要因が残るなかでのリスクオフ作戦
市場環境は、中東情勢の再々緊迫化や新たなトランプ関税の発動など、なお不確定材料に揺れ動く可能性が捨て切れない。こうしたなか、「トリプル・デメリット」を逆手に取る「トリプル・メリット」株として、銀行株、中古車関連株、証券株にアプローチすることは、有望なリスクオフ作戦として試してみる価値がありそうだ。
■早くも上方修正の十六FG、低PER・低PBRの予備候補も続々
銀行株の業績と目先の株価の方向性は、7月30、31日に開催される日銀金融政策決定会合での政策金利動向に左右される公算が大きい。
この金融政策決定会合と重なる形で、メガバンクも今3月期第1四半期決算を発表する予定である。みずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)が7月30日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)と三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)が8月3日のスケジュールとなっている。
日銀会合での政策金利据え置きを受けて失望売りとなるのか、材料出尽くしとなるのか。それとも植田総裁の記者会見を手掛かりに、さらに上値を追うのか。各行の第1四半期決算との整合性を含め、その影響が注目される。
■十六FGに続く業績上振れ期待行
十六FG<7380>(東証プライム)に続く業績上振れ期待行としては、まず、三十三FG<7322>(東証プライム)との経営統合で合意したあいちFG<7389>(東証プライム)が挙げられる。あいちFGは今3月期に退職給付信託返還益約64億円を計上する予定で、この業績寄与度が注目される。
次いで、クレジットカード決済代行サービス会社の全東信の経営破綻に伴い、58億円超の損失処理を発表した東和銀行<8558>(東証プライム)である。同行は損失を補うため、55億円の有価証券売却益を計上すると開示している。
このほか、前週末24日に経営統合で合意した、いよぎんホールディングス<5830>(東証プライム)と愛媛銀行<8541>(東証プライム)、株式分割を発表したほくほくフィナンシャルグループ<8377>(東証プライム)も候補となるだろう。
■低PER・低PBR・高配当の出遅れ銀行株
もちろん、すべての銀行株に可能性がある。出遅れている銀行株のなかでも、さらに割安感の強い低PER行、低PBR行、高配当行をマークしたい。
7月17日付の当コラムで取り上げた東証プライム市場の該当株を全市場ベースに拡大すると、低PER株では、PER4.1倍のじもとホールディングス<7161>(東証スタンダード)を筆頭に、豊和銀行<8559>(福証)、南日本銀行<8554>(福証)、筑邦銀行<8398>(福証)、大東銀行<8563>(東証スタンダード)、筑波銀行<8338>(東証プライム)、大光銀行<8537>(東証スタンダード)がベスト7として浮上する。第7位の大光銀行でもPERは8.3倍である。
この7銘柄は、配当利回りやPBRの面でも市場平均を下回る割安水準にある。南日本銀行、大東銀行、大光銀行の配当利回りは、それぞれ3.5%、3.8%、3.6%に達する。
PBRでは、南日本銀行の0.29倍が最も出遅れ、鳥取銀行<8383>(東証スタンダード)と宮崎太陽銀行<8560>(福証)の各0.31倍、筑邦銀行の0.33倍、大光銀行の0.34倍、清水銀行<8364>(東証プライム)とトマト銀行<8542>(東証スタンダード)の各0.39倍と続く。
■中古車株は円安を追い風に業績を上方修正
円安メリット株としての自動車株の方向性は、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)の今期第1四半期決算が大きなカギを握る公算が強い。その前哨戦として、中古車販売のネクステージ<3186>(東証プライム)が今11月期業績を、アフターマーケット向け自動車部品のエッチ・ケー・エス<7219>(東証スタンダード)が今8月期業績を、それぞれ上方修正した。
円安・ドル高による輸出台数の増加や、国内新車価格の上昇に伴う中古車需要の拡大が要因であり、中古車関連株への注目度が高まる展開も想定される。
関連する割安株として、中古車輸出のアップルインターナショナル<2788>(東証スタンダード)、VTホールディングス<7593>(東証プライム)、オプティマスグループ<9268>(東証スタンダード)、中古車オークション関連のシステム・ロケーション<2480>(東証スタンダード)、オークネット<3964>(東証プライム)、中古車輸送のゼロ<9028>(東証スタンダード)などの決算発表をマークしたい。
■証券株には第1四半期純利益が8倍超の銘柄も
証券株は、7月15日から24日にかけて、今3月期第1四半期業績の速報値を相次いで発表した。
純利益の前年同期比増益率が高い銘柄を挙げると、8.3倍のアイザワ証券グループ<8708>(東証プライム)を筆頭に、7.4倍のいちよし証券<8624>(東証プライム)、4倍台の水戸証券<8622>(東証プライム)、東洋証券<8614>(東証プライム)、丸八証券<8700>(東証スタンダード)、3.8倍の今村証券<7175>(東証スタンダード)と続く。
各社はいずれも市況産業であることから業績予想を開示せず、配当も未定としている。しかし、今後順次公表する中間配当と期末配当で、少なくとも前期実績並みを維持すれば、高配当利回りランキングの上位に顔を並べる可能性がある。
なお、この業績速報値を受け、東証スタンダード市場では今村証券と丸八証券の2銘柄が年初来高値を更新した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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