ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、経営理念に「地域のヘルスケアに貢献する」を掲げ、九州を地盤とする医療機器専門商社(山下医科器械)を中心に、収益拡大に向けてヘルスケア領域でのグループ力向上を推進している。27年5月期は増収・2桁営業増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の直近安値圏から急反発して戻り高値圏だ。週足チャートで見ると一気に26週移動平均線を回復した。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■九州を地盤とする医療機器専門商社
経営理念に「地域のヘルスケアに貢献する」を掲げ、九州を地盤とする医療機器専門商社(山下医科器械)を中心に、継続的な収益拡大に向けて、ヘルスケア領域でのグループとしての収益力向上を推進している。
事業子会社の山下医科器械は九州を地盤とする医療機器専門商社で医療機器卸売、医療IT、設備設計・施工・メンテナンス、消耗品管理・物流を展開している。26年8月に創業100年を迎える。イーピーメディックは整形外科領域の体内埋没材料(インプラント)の製造・販売、トムスは人工腎臓関連分野に強みを持ち透析装置・関連消耗品を中心とする医療機器卸売・メンテナンス、アシスト・メディコは医療機関の経営・事業承継支援などのコンサルティングサービス、エムディーエックスはRPA・DX技術関連製品・サービスの提供、クロスウェブは医療機関向けネットワーク構築・ソフトウェア受託開発、鹿児島オルソ・メディカルは鹿児島県で整形外科分野に特化した医療機器・関連消耗品の販売、マイクロソニックは乳がんの早期発見を目的とした超音波画像診断装置「ブレストスキャン」など医療用機器の開発・販売を展開している。
病院向け予約ソリューションを展開するイーディライトについては25年10月に株式譲渡を完了し、26年5月期第2四半期より連結子会社から除外した。
26年5月期の売上高(セグメント間取引調整前)は、医療機器販売業が642億01百万円、医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)が2億10百万円、医療モール事業(賃料収入)が74百万円だった。
医療機器販売業の売上高の内訳は、一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が78億59百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が265億86百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が148億85百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が131億32百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が17億36百万円だった。
なお医療機関の設備投資関連のため、第2四半期(9月〜11月)および第4四半期(3月〜5月)の構成比が高い傾向がある。
■積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行
中期経営計画(25年5月期〜27年5月期)では、基本方針に「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を掲げ、目標値は最終年度27年5月期の売上高730億円、営業利益9億50百万円、営業利益率1.3%以上、経常利益10億円としている。資本コストや株価を意識した経営としては、PBR(株価純資産倍率)1.0倍以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指し、株主還元としては配当性向30%以上としている。
重点施策として人的資本経営、グループ間連携による新たな価値の創出と生産性向上、持続的成長に向けた投資、ESG経営による地域社会への貢献、ガバナンス最優先の風土醸成などを推進する。
25年9月には、グループ会社のマイクロソニックが、乳房疾患の早期発見を目的とした医療機器(超音波画像診断装置並びに併用医療機器)である「BreastScan」(ブレストスキャン)および「Viewnus―Linear」(ヴィーナスリニア)について、医療機器として薬事認証取得・届出を完了した。また本製品システムにおいて「乳房の超音波診断装置および検査方法」として特許を取得した。
サステナビリティ経営への取り組みでは21年8月にESG基本方針を策定、22年7月に長期ビジョン「マルティプライビジョン2030」を策定し、24年8月に「ESG経営に関わる実績および目標」を公表した。また26年3月には山下医科器械が、経済産業省と日本健康会議が選定する健康経営優良法人認定制度において、5年連続で健康経営優良法人2026(大規模法人部門)に認定された。
■26年5月期営業減益だが上振れ着地、27年5月期2桁営業増益予想
26年5月期の連結業績は売上高が前期比0.5%減の641億49百万円、営業利益が12.1%減の7億37百万円、経常利益が3.5%減の8億77百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.1%増の6億48百万円だった。
前期比では人的資本投資やシステム関連投資などの影響で営業減益だったが、計画(25年7月11日付の期初公表値、売上高676億47百万円、営業利益5億90百万円、経常利益6億32百万円、親会社株主帰属当期純利益3億54百万円)に対して、売上高が34億97百万円下回ったものの、営業利益は1億47百万円、経常利益は2億44百万円、親会社株主帰属当期純利益は2億94百万円、それぞれ上振れて着地した。経常利益については営業外収益で保険解約返戻金53百万円、消費税差額42百万円を計上したことも寄与した。親会社株主帰属当期純利益については法人税等の負担が想定を下回ったことも寄与した。
医療機器販売業は売上高が前期比0.4%減の642億01百万円、営業利益(全社費用等調整前)が3.0%減の21億32百万円だった。売上高の内訳は一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が16.5%減の78億59百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が2.9%増の265億86百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が1.1%増の148億85百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が2.9%増の131億32百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が1.6%減の17億36百万円だった。一般消耗品分野は検査・手術件数の増加に伴い堅調だったが、医療機関の設備投資減少の影響で一般機器分野が低調だった。
医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)は、売上高が4.4%減の2億10百万円で営業利益が1億85百万円の損失(前期は2億20百万円の損失)だった。医療モール事業(賃料収入)は、売上高が1.6%増の74百万円で営業利益が37.1%増の7百万円だった。
全社ベースの業績を四半期別にみると、第1四半期は売上高が150億78百万円で営業利益が36百万円、第2四半期は売上高が155億67百万円で営業利益が1億80百万円、第3四半期は売上高が162億43百万円で営業利益が1億77百万円、第4四半期は売上高が172億61百万円で営業利益が3億44百万円だった。
27年5月期連結業績予想は売上高が前期比8.8%増の697億94百万円、営業利益が13.1%増の8億33百万円、経常利益が2.4%減の8億55百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.6%減の5億53百万円としている。
経常利益と親会社株主帰属当期純利益は前期の一過性要因の剥落で減益だが、売上高は医療機関における検査・手術件数の緩やかな回復などにより増収、営業利益が人的資本投資による人件費増加や山下医科器械の物流センターリニューアルに伴うコスト増加などを増収増加で吸収して2桁増益見込みとしている。営業利益の前期比96百万円増益の増減分析(計画)は、増収による売上総利益増加で5億33百万円増益、人件費や教育研修費など人件費関連の増加で2億71百万円減益、広告宣伝費の増加で12百万円減益、事業所・物流センター備品購入費および各種システム保守費など設備管理費の増加で1億25百万円減益、支払手数料・その他販売費の増加で29百万円減益としている。
重点施策として、人的資本経営の実践、グループ間の連携と協業によるシナジー創出、事業会社への継続的支援と成長加速、ESG経営を踏まえた安定供給と量的物流体制の構築、内部統制とコンプライアンスへの継続的取り組み、グループの管理機能のさらなる充実を推進する。
27年5月期は中期経営計画で掲げた最終年度目標(27年5月期売上高730億円、営業利益9億50百万円、経常利益10億円)を下回る見込みだが、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株主還元は配当性向30%以上目安、株主優待制度は5月末の株主対象
株主還元については配当性向30%以上を目安に、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定かつ継続的な配当を実施することを基本方針としている。
26年5月期の配当については26年7月13日付で期末37円上方修正した。期末の普通配当を7円増額するとともに、子会社の山下医科器械が創業100周年を迎えることに伴って記念配当30円を実施する。これにより26年5月期の配当は前期比32円増配の107円(期末一括、普通配当77円+記念配当30円)とした。配当性向は41.4%となる。また27年5月期の配当予想は前期比42円減配の65円(期末一括)としている。予想配当性向は30.0%となる。
株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年5月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じてオリジナルクオカードを贈呈する。
■株価は上値試す
株価は6月の直近安値圏から急反発して戻り高値圏だ。週足チャートで見ると一気に26週移動平均線を回復した。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。7月28日の終値は3520円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS217円65銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3680円48銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約90億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
→【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック >
2026年07月29日
ヤマシタヘルスケアホールディングス、27年5月期は増収・2桁営業増益予想、医療機器事業の収益拡大を推進
【アナリスト銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:31
| アナリスト銘柄分析

































