
■イズミで十数人負傷、ヤマックスは軽傷者と製品在庫の破損を確認
気象庁は7月28日、熊本県熊本地方で発生した地震を「令和8年熊本地震」と命名した。地震は同日午後4時27分ごろ発生し、規模はマグニチュード7.1、震源の深さは約10キロ。宇城市と氷川町で最大震度7を観測したほか、北陸地方から九州地方にかけて震度6強〜1の揺れを記録し、熊本県では長周期地震動階級4を観測した。震源周辺には布田川断層帯と日奈久断層帯があり、発生後も最大震度5弱の地震が相次いだ。気象庁は地震活動域が広範囲に及んでいるとして、今後の地震や津波、家屋倒壊、土砂災害などへの警戒を呼びかけている。
■小売りでは負傷者と店舗損傷、熊本県内35店舗を休業
イズミ<8273>(東証プライム)は7月29日、グループ内で十数人が負傷したものの、いずれも命に別状はないと発表した。熊本県内ではショッピングセンター「ゆめタウン」5店舗、食品スーパー「ゆめマート」27店舗、「サニー」3店舗の計35店舗を展開しており、一部店舗の外装や内装に損傷が発生した。全35店舗を休業し、営業再開に向けて点検と調査を続けている。業績への影響は調査中としている。ヤマックス<5285>(東証スタンダード)は従業員1人の軽傷を確認した。建物・設備の被害は限定的だが、一部工場のストックヤードで製品在庫が荷崩れし、製品の一部が破損した。被害状況と業績への影響を引き続き調査する。
製造業では操業停止や設備点検が相次いだ。東海カーボン<5301>(東証プライム)は、半導体、太陽電池、各種産業向けの等方性黒鉛材を生産する田ノ浦工場で、環境関連設備などの一部を除き、稼働していた設備の操業を一時停止した。建屋・設備の甚大な損壊や火災はなく、電力供給も継続している。一部で断水が発生したが、主要設備の冷却水循環に支障はない。設備、製品在庫、出荷への影響や復旧見通しを確認している。フェローテック<6890>(東証スタンダード)は、熊本地区の事業所で人的被害はなかったものの、機器・装置などの位置ずれを確認し、操業への影響を調査中。テラプローブ<6627>(東証スタンダード)は熊本県葦北郡の九州事業所で、生産設備と治工具の点検を行い、稼働再開に向けた準備を進めている。人的被害や建屋、インフラへの被害は確認されていないが、点検に伴う生産停止の影響を精査している。
不動産分野では、ジャパン・ホテル・リート投資法人<8985>(東証REIT)が、震源に近い保有物件「ドーミーイン熊本」の外屋と内装の一部に軽微な被害が発生したと発表した。利用客やホテル従業員などへの人的被害はなく、現時点で運用状況に影響する重大な被害は確認されていない。上場企業への影響は、小売店舗の全面休業、製品在庫の破損、工場の操業一時停止、製造装置の位置ずれ、生産設備の安全点検、宿泊施設の建物損傷などに広がった。各社は業績、製品出荷、営業再開時期への影響を調査しており、余震や断水、道路・鉄道など物流網の状況によっては、復旧や供給再開に時間を要する可能性がある。
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