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2026年08月01日

【マーケットセンサー】逆風を利益に変える――「トリプル・メリット株」で選別相場を乗り切る

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■日経平均急騰でも、全面高には遠い

 7月31日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、前日比2494円59銭高の6万4362円02銭で取引を終えた。上昇率は4.03%。TOPIXも50.80ポイント高の4003.30となったが、上昇率は1.29%にとどまり、日経平均との開きが目立った。

 前日の米ハイテク株高を受け、人工知能(AI)、半導体、電子部品関連に買い戻しが集中した。キオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)イビデン<4062>(東証プライム)KOKUSAI ELECTRIC<6525>(東証プライム)パナソニック ホールディングス<6752>(東証プライム)村田製作所<6981>(東証プライム)などがストップ高となり、指数を押し上げた。

 もっとも、値がさ株への買いが日経平均を大きく持ち上げた側面が強い。指数の急騰だけを見て、相場全体が底入れしたと判断するのは早い。決算を受けて売られる銘柄も多く、業績の内容によって明暗が分かれる選別相場が続いている。

■「トリプル安」を一律の悪材料とみない

 国債安、円安、株安が重なる「トリプル安」は、日本市場への信認低下を連想させる。ただし、市場全体への逆風が、すべての企業に減益をもたらすわけではない。

 金利上昇は銀行の貸出利ざやや運用利回りを改善させる可能性がある。円安は海外売上高の大きい自動車など輸出企業の円換算利益を押し上げ、中古車輸出では採算改善につながる。株価の乱高下と売買代金の増加は、証券会社の委託手数料やトレーディング収益を膨らませる要因となる。

 こうした金利、為替、売買活況の恩恵を受ける銀行、自動車・中古車、証券が「トリプル・メリット株」の候補となる。ただし、外部環境だけを理由に買うのは危険である。逆風を実際の利益に変換できる事業構造を持つかどうかが重要だ。

■利益の源泉と副作用を見極める

 銀行株では、貸出金利と預金金利の差に加え、保有債券の評価損益や信用コストを確認したい。長期金利の上昇は収益改善要因となる半面、債券価格の下落によって含み損を広げる可能性がある。

 自動車株では、円安効果だけでなく、米国の関税、販売台数、原材料費、地域別採算が焦点となる。中古車関連も輸出価格だけでなく、仕入れ価格、在庫回転、物流費を見なければならない。為替効果を除いても利益が伸びているかが判断基準となる。

 証券株は売買活況が追い風となるが、株式委託、債券販売、投資銀行業務、自己売買など収益構成によって恩恵は異なる。取引増加の一方で、保有資産の評価損が利益を圧迫する場合もある。

■日銀据え置き後こそ業績を選ぶ

 日銀は7月31日の金融政策決定会合で政策金利を1%程度に据え置いた。決定は8対1で、1人の委員が1.25%への利上げを主張した。日銀は物価の上振れリスクを意識し、経済・物価が見通しに沿って推移すれば追加利上げを続ける姿勢を維持した。

 金利上昇、円安、売買活況への期待は、関連株への先回り買いを誘いやすい。しかし、好決算でも材料出尽くしで売られ、減益でも悪材料の織り込みから反発することがある。重要なのは決算数字だけでなく、発表後の株価反応である。

 「トリプル・メリット株」は、値下がり銘柄を無条件で拾う逆張り戦略ではない。増益の持続性、割安性、株主還元を確認し、外部環境の変化を利益成長へ転換できる企業を選ぶ手法である。逆風そのものではなく、逆風を利益に変えられる企業を買う。それが選別相場を乗り切る核心となる。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:00 | コラム