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2026年08月05日

イビデン、27年3月期予想を上方修正、AIサーバー向け基板好調で営業利益2倍へ

(決算速報)
■大野事業場の安定稼働と高付加価値製品の販売拡大で営業利益率は21.8%に上昇

 イビデン<4062>(東証プライム)は、半導体向けICパッケージ基板を中心とする電子事業と、自動車排気系部品などのセラミック事業を展開している。2027年3月期第1四半期連結決算は、生成AIサーバー向け基板の需要拡大を背景に大幅増収増益となった。同社は通期業績予想を上方修正するとともに、10月1日付の1対2の株式分割を発表した。業績拡大に加え、投資単位の引き下げによる投資家層の拡大も株式市場の注目材料となる。

■第1四半期は26%増収・52%営業増益、利益率も上昇

 2027年3月期第1四半期の売上高は前年同期比26.4%増の1232億19百万円、営業利益は同52.4%増の268億80百万円、経常利益は同57.8%増の274億66百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同40.8%増の179億18百万円だった。営業利益率は前年同期の18.1%から21.8%へ3.7ポイント上昇した。1株当たり四半期純利益は、2026年1月1日付の株式分割を反映したベースで64円14銭となった。

 増益を牽引したのは、売上高の6割強を占める電子事業である。生成AI用サーバー向けと汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の受注が堅調に推移した。前年度に量産稼働を開始した大野事業場の生産安定化に加え、既存生産能力の有効活用、高付加価値製品の販売拡大、円安も寄与した。

■電子事業のセグメント利益は52%増、セラミック事業も改善

 電子事業の売上高は前年同期比37.7%増の775億22百万円、セグメント利益は同52.4%増の213億75百万円となった。売上高に対する利益率は前年同期の24.9%から27.6%へ上昇した。第1四半期の連結営業利益に対する電子事業のセグメント利益の割合は約8割に達しており、AIサーバー関連需要が全社収益を牽引する構図が一段と鮮明になった。

 セラミック事業は売上高が同24.3%増の243億65百万円、セグメント利益が同53.6%増の32億20百万円だった。ディーゼル・パティキュレート・フィルターの一時的な受注増、特殊炭素製品の緩やかな回復、EVバッテリー用安全部材の販売・生産数量増加が寄与した。一方、触媒担体保持・シール材は売上高が増加したものの、資材価格高騰の影響で減益となった。

 その他事業は、中東情勢の影響による建築資材納入の遅れで、売上高が同1.1%減の213億30百万円となった。一方、法面・造園事業の大型物件施工が堅調に推移し、電子部品加工分野の受注も増加したため、セグメント利益は同48.9%増の22億39百万円となった。

■通期営業利益を900億円から1270億円へ上方修正

 同社は2027年3月期通期予想を、売上高5000億円から5500億円、営業利益900億円から1270億円、経常利益900億円から1270億円、親会社株主に帰属する当期純利益580億円から840億円へ引き上げた。従来予想に対する修正率は、売上高が10.0%、営業利益と経常利益が各41.1%、純利益が44.8%となる。前期比では売上高32.1%増、営業利益2.0倍、経常利益2.1倍、純利益31.8%増を見込む。

 第1四半期の通期修正予想に対する進捗率は、売上高22.4%、営業利益21.2%、経常利益21.6%、純利益21.3%となる。同社はAIサーバー向けと汎用サーバー向けに加え、スイッチIC向け製品の需要拡大を見込む。高付加価値製品を中心に需要と販売価格が堅調に推移し、高水準の工場稼働率を維持できる見通しとしている。

 セグメント別では、電子事業の通期売上高を前期比54.1%増の3750億円、セグメント利益を2.4倍の1100億円と予想する。一方、セラミック事業のセグメント利益は15.0%減の65億円を見込み、電子事業への利益依存度がさらに高まる計画である。AI関連投資の拡大は追い風となる一方、関連需要や顧客の設備投資、為替、販売価格の変動が業績を左右する要因となる。

■1対2の株式分割、配当方針は実質変更なし

 同社は9月30日を基準日、10月1日を効力発生日として、普通株式1株を2株に分割する。2026年6月末時点の発行済み株式数を基準とした分割後の発行済み株式総数は5億6388万8038株となる。投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家層の拡大と市場流動性の向上を図る。

 期末配当予想は、分割前の20円に相当する分割後10円へ修正する。中間配当予想15円と合わせた年間配当は、分割前換算で35円となり、実質的な変更はない。配当方針についても、2026年3月期から2031年3月期まで配当性向20%を目安とし、累進配当とする基本方針を維持する。株式分割に合わせ、年間配当の下限を1株20円から分割後の10円へ調整したもので、実質的な方針変更ではない。

■株価は年初来高値から調整、決算発表後の市場評価が焦点

 株価は8月4日の通常取引を前日比795円高の1万6330円で終えた。年初来高値は7月1日の2万7480円、年初来安値は1月9日の6592円で、直近終値は年初来高値を約40.6%下回る水準にある。8月4日時点の時価総額は約4兆6041億円、実績PBRは8.29倍だった。決算発表後は、上方修正した通期計画の確度、AIサーバー向け需要の持続性、株式分割による投資家層拡大への評価が焦点となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:46 | 決算発表記事情報