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2026年08月05日

タスキホールディングス、9カ月累計営業利益92.4%増、主力不動産事業の収益性向上

(決算速報)
■IoTレジデンスと資産コンサルティングが牽引、売上総利益率は21.0%へ上昇

 タスキホールディングス<166A>(東証プライム)は、東京都心を中心とした投資用IoTレジデンスの企画・開発・販売、中古不動産の再生、資産コンサルティング、不動産事業者向けAI・SaaSサービスなどを展開している。2026年9月期第3四半期累計連結決算は、売上高が前年同期比41.1%増の600億21百万円、EBITDAが同89.7%増の79億42百万円、営業利益が同92.4%増の75億69百万円、経常利益が同90.6%増の61億69百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同80.1%増の33億50百万円となった。主力のLife Platform事業で販売が進み、IoTレジデンス、リファイニング、資産コンサルティングの収益性が向上した。同社は6月15日付で東証グロース市場から東証プライム市場へ市場区分を変更している。

 売上総利益は前年同期比64.0%増の126億17百万円となり、売上総利益率は前年同期の18.1%から21.0%へ2.9ポイント上昇した。販売費及び一般管理費は、人員増加やZISEDAIの連結などにより同34.3%増加したものの、増収効果と利益率改善で吸収し、営業利益率は9.2%から12.6%へ上昇した。第3四半期単独の売上総利益率は25.6%と過去最高を記録しており、収益性を重視した販売活動の成果が表れている。

■Life Platform事業が利益成長を牽引

 セグメント別では、Life Platform事業の売上高が前年同期比173億56百万円増の597億91百万円、セグメント利益が同34億67百万円増の72億9百万円となり、連結業績の拡大を牽引した。投資用IoTレジデンスに加え、大型案件を含む資産コンサルティングの販売が寄与した。第3四半期単独では、資産コンサルティングが71億27百万円、IoTレジデンスが90億78百万円の売上高を計上した。

 今後の販売原資となる販売用不動産、仕掛販売用不動産、前渡金の合計残高は851億71百万円となり、前期末比83.6%増加した。積極的な仕入れによって、同残高は3四半期連続で過去最高を更新している。IoTレジデンスとリファイニングの仕入件数は通期計画165件を上回る167件に達し、資産コンサルティングのプロジェクトパイプラインも拡充した。豊富な物件在庫は来期以降を含む売上成長の基盤となる一方、販売時期や在庫回転、資金調達負担の管理が重要になる。

 積極的な仕入れに伴い、流動負債と固定負債に計上した社債・借入金は合計756億77百万円となり、前期末から286億70百万円増加した。自己資本比率は前期末の38.3%から28.1%へ低下している。会社側は2026年9月期末に30%水準まで回復する見通しを示しており、不動産販売の進捗とともに、財務健全性の回復が確認点となる。

■AI事業は先行投資段階、導入社数と利用者数は拡大

 中長期の成長分野に位置付けるAI Dynamics事業は、2026年9月期第2四半期からZISEDAIを連結し、新たな報告セグメントとして開示している。第3四半期累計の売上高は70百万円、セグメント損益は83百万円の損失となった。現時点では開発費や人件費などの先行投資が収益を上回る段階だが、主力サービス「ZISEDAI LAND」の導入社数は第3四半期末で312社となり、前年同期比45.8%増加した。利用者数も3503人と同47.1%増加しており、大規模事業者への導入が進んでいる。

 同事業は、導入時のスポット収入に加え、標準機能の月額利用料やオプション機能の従量課金によるサブスクリプション・リカーリング収入を積み上げる収益構造である。会社側はSaaSの提供にとどまらず、AIエージェントが不動産業務を支援するプラットフォームへ発展させ、そこで蓄積した知見をIoTレジデンスから「AIレジデンス」への進化にも活用する方針を掲げる。短期的な連結利益への貢献は限定的だが、導入社数、1社当たり利用者数、継続収入の拡大が中期的な評価軸となる。

■通期予想を据え置き、営業利益の進捗率は68.8%

 2026年9月期通期連結業績予想は据え置き、売上高が前期比35.0%増の1004億50百万円、EBITDAが同26.3%増の115億円、営業利益が同24.8%増の110億円、経常利益が同19.1%増の93億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.6%増の58億円を見込む。1株当たり当期純利益は94円03銭を計画している。

 第3四半期累計の通期計画に対する進捗率は、売上高が59.8%、EBITDAが69.1%、営業利益が68.8%、経常利益が66.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益が57.8%となった。売上高と純利益は第4四半期に相応の積み上げが必要だが、不動産事業は物件の引き渡し時期によって四半期業績が変動しやすい。会社側は通期計画の達成に向けて計画通り進捗しているとしており、期内に販売を予定する物件を着実に引き渡せるかが焦点となる。

■累進配当を基本方針、年間50円を計画

 株主還元では、1株当たり当期純利益の40%以上の配当性向と累進配当を基本方針としている。2026年9月期の年間配当は、中間配当16円、期末普通配当24円、東証プライム市場への市場区分変更に伴う記念配当10円を合わせ、前期比14円増の50円を予定する。会社予想EPS94円03銭に対する予想配当性向は計算上約53.2%となり、利益成長に加え、株主還元の拡充も評価材料となる。

 中期経営計画では、2027年9月期にAI Dynamics事業の導入企業社数470社、Life Platform事業の棚卸資産残高800億円、EPS140円、ROE20%以上、自己資本比率30%以上を掲げている。棚卸資産残高は現時点で目標水準を上回っているが、在庫の積み上げだけでなく、販売を通じて売上高と利益へ転換することが重要となる。AIサービスの導入拡大と、不動産事業で確保した物件パイプラインの収益化、財務構成とのバランスが中期計画達成の鍵を握る。

■株価は年初来高値から調整、業績と配当の両面を評価

 株価は8月4日終値が前日比40円高の1113円だった。6月25日の年初来高値1237円を約10.0%下回る一方、3月30日の年初来安値769円からは約44.7%上昇している。同日終値ベースの会社予想PERは11.83倍、実績PBRは2.16倍、会社予想配当利回りは4.49%、時価総額は約687億円である。

 株価は年初来高値更新後に調整し、1000円台前半で推移している。営業利益が前年同期比92.4%増となったほか、豊富な物件在庫、年間50円の配当予想、AI事業の導入拡大が評価材料となる。一方、自己資本比率の低下や借入金の増加、金利・建築費・人件費の上昇、物件販売時期による業績変動には注意が必要である。第4四半期の販売進捗と財務指標の改善を確認しながら、業績拡大と株主還元を評価する展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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