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2026年08月05日

ALSOK、第1四半期営業利益15.4%増、FM事業伸長と100億円規模の自社株買い

(決算速報)
■売上総利益率が1.2ポイント改善、セキュリティ事業の採算向上とFM事業の大幅増益が牽引

 ALSOK<2331>(東証プライム)は、機械警備、常駐警備、警備輸送などのセキュリティ事業を中核に、建物管理・防災などのFM事業、介護事業、海外事業を展開している。2027年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比3.4%増の1458億98百万円、営業利益が同15.4%増の120億49百万円、経常利益が同21.5%増の132億51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同25.8%増の80億94百万円となった。増収率を上回る利益成長となり、主力セキュリティ事業の採算改善とFM事業等の拡大が全体を牽引した。通期業績予想は据え置いた。

■売上総利益率は25.2%へ上昇、増収率を上回る利益成長

 第1四半期の売上総利益は前年同期比8.5%増の367億円となり、売上総利益率は前年同期の24.0%から25.2%へ1.2ポイント上昇した。販売費及び一般管理費は同5.4%増の247億円となったものの、売上総利益の伸びで吸収し、営業利益率は7.4%から8.3%へ改善した。営業外収益も同74.0%増となり、経常利益の伸びを押し上げた。売上規模の拡大に加え、収益性の改善を伴った決算となった。

■セキュリティ事業は営業利益11.2%増、HOME ALSOKの受注伸長

 主力のセキュリティ事業は、売上高が前年同期比0.5%増の1033億95百万円、営業利益が同11.2%増の121億80百万円となった。売上高の伸びは小幅だったが、利益は2桁増となり、採算改善が進んだ。法人向けでは、ライブ画像確認機能を標準装備し、画像蓄積や遠隔設備制御などのオプションを備えた「ALSOK−G7」の販売を推進。既存の機械警備インフラを活用し、設備異常時に警備員が駆けつけるサービスも拡充している。

 個人向けでは、体感治安の悪化を背景に「HOME ALSOK Connect」を中心として受注が伸長した。異常検知時に同社が駆けつけるオンラインセキュリティに加え、依頼に応じて現場を確認するサービスをオプションとし、月額料金を抑えたセルフセキュリティプランも提供している。常駐警備では、空港施設や国内生産拠点向けの需要に対応する一方、DXによる省人化・効率化を推進している。人材確保や人件費上昇が課題となるなか、機械警備とDXを通じた生産性向上が今後の利益成長を左右する。

■FM事業等は営業利益46.2%増、介護事業は課税負担で減益

 FM事業等は、売上高が前年同期比16.4%増の206億95百万円、営業利益が同46.2%増の23億94百万円と大幅な増収増益となった。建物管理、防災、設備工事など警備周辺領域の拡大が進み、全社利益への寄与を高めた。持分法適用関連会社の日本ドライケミカルを巡っては、カーライルと共同で公開買付けを実施し、戦略的パートナーシップの構築と防災事業の基盤強化に取り組んでいる。

 一方、介護事業は売上高が同4.3%増の141億99百万円となったものの、複数の介護子会社に外形標準課税が適用された影響で、営業利益は同32.3%減の4億32百万円となった。新たに2社を連結子会社化して事業基盤を強化する一方、職員配置の適正化や介護支援ロボットの活用などによる収益性改善が課題となる。海外事業は売上高が同11.1%増の76億7百万円となり、営業損失は前年同期の1億77百万円から1億42百万円へ縮小した。

■通期営業利益557億円を据え置き、年間33円配当を予想

 2027年3月期通期連結予想は、売上高が前期比6.8%増の6375億円、営業利益が同18.7%増の557億円、経常利益が同17.2%増の585億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.1%増の373億円、1株当たり当期純利益が76円75銭で据え置いた。年間配当は前期の29円20銭から3円80銭増の33円を予想している。

 第1四半期の通期予想に対する進捗率は、売上高が22.9%、営業利益が21.6%、経常利益が22.7%、純利益が21.7%となる。現時点では、おおむね年間計画に沿った進捗といえる。今後は、セキュリティ事業の利益率改善とFM事業等の増益基調が継続するかが、通期計画の達成確度を判断するうえで重要となる。

■100億円規模の自社株買い、株主還元と資本効率向上を意識

 同社は決算発表と同日の8月4日、自己株式立会外買付取引「ToSTNeT−3」による自社株買いの実施を発表した。8月5日に最大891万6600株を買い付ける。取得上限は自己株式を除く発行済み株式総数の1.83%、取得総額は99億9996万6900円で、買付価格は8月4日終値の1121円50銭とした。

 今回の買付けは、5月13日に決議した取得総数上限900万株、取得総額上限100億円の自社株買いに基づくもの。ToSTNeT−3による取得額が100億円の上限に達しなかった場合は、残額を上限として9月30日まで立会市場で買い付ける予定である。年間配当の増額予想と合わせ、株主還元と資本効率向上に向けた取り組みとして評価材料となる。

■株価は年初来安値から持ち直し、自社株買いと収益改善が評価軸

 8月4日の終値は1121円50銭。年初来高値は4月8日の1335円、年初来安値は6月16日の1046円50銭で、足元の株価は安値から持ち直しているものの、年初来高値を16.0%下回る水準にある。会社予想ベースのPERは14.61倍、予想配当利回りは2.94%、時価総額は約5722億円。8月4日時点のPBRは1.42倍となっている。

 株価の今後を見るうえでは、100億円規模の自社株買いによる需給面への効果に加え、セキュリティ事業の利益率改善、FM事業等の大幅増益、介護事業の収益回復が注目される。中期経営計画「ALSOK STAGE 2028」では、個人向け、介護、海外市場を重点成長分野に位置付けている。主力警備事業の安定収益を基盤として、周辺事業の利益拡大と株主還元を両立できるかが、株価の見直しを促すうえで重要となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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