
■長期金利低下で利益確定売りも安値から持ち直す
北日本銀行<8551>(東証プライム)は、前日4日に50円安の6710円と3営業日ぶりに反落して引けた。8月4日の米国市場で長期金利が低下し、国内長期金利も一時低下したことから、今年7月28日に年初来高値7060円まで買い進まれていた同行株にも、目先の利益を確定する売りが出た。
ただ、取引時間中の安値6660円からは小幅に戻して引けており、押し目買いも交錯した。同行は9月30日を基準日とする株式分割を予定しており、分割権利取りの動きを、同時に発表した自己株式取得や今2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月期、1Q)の好決算が後押しするとの見方もある。東証プライム市場の銀行株の低PBRランキングで第4位、低PERランキングでも第13位に位置する割安さも意識されている。
■1株を3株に分割、自己株式約10億円を取得
株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ、投資しやすい環境を整えることで、同行株式の流動性向上と投資家層の一層の拡大を図ることが目的である。9月30日を基準日として、1株を3株に分割する。
自己株式取得は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行と株主還元を目的とし、取得上限を19万株(発行済み株式総数の2.31%)、取得金額上限を10億円、取得期間を8月3日から8月31日までとしていた。
このうち8月3日に、買付価格6650円で15万300株(同1.8%)を総額9億9949万円で自己株式立会外買付により取得し、自己株式取得を終了した。さらに9月25日には、自己株式10万株(同1.18%)を消却する予定である。
■1Q利益は大幅増、通期予想に対する進捗率は約39%
今3月期1Q業績は、経常収益が前年同期比27.5%増の90億6600万円、経常利益が同58.2%増の26億3400万円、純利益が同58.6%増の17億9100万円と大幅な増収増益で着地した。
資金運用収益や株式等売却益が増加し、預金利息や国債等売却損の増加を吸収したことが大幅増益につながった。今3月期の通期業績予想は据え置き、経常利益を前期比4.0%増の66億円、純利益を同3.1%増の45億円と見込む。純利益は2期連続で過去最高を更新する見通しである。
通期予想に対する1Qの進捗率は、経常利益、純利益ともに約39%となり、単純計算上の目安となる25%を上回った。前期も期中に業績予想を引き上げており、今期についても今後の業績推移次第では上方修正への期待が高まりそうだ。
■低PER・低PBRを背景に年初来高値奪回を探る
株価は、昨年9月に発表した株主還元方針の策定を起点に、前期第2四半期業績の上方修正、通期業績予想の引き上げ、増配が続いたことで4600円まで上昇した。その後は、米国とイスラエルによるイラン攻撃やイランの報復攻撃を巡る地政学リスクに配当権利落ちも重なり、年初来安値4390円まで調整した。
しかし、今期の純利益が2期連続で過去最高を更新する見通しとなり、連続増配予想や国内長期金利の上昇も加わったことで、7月28日には年初来高値7060円まで買い進まれた。足元では高値圏でのもみ合いが続いている。
予想PERは12.2倍で、東証プライム市場の銀行株の低PERランキングでは第13位、PBRも0.57倍で同低PBRランキング第4位と、指標面にはなお割安感がある。株式分割の権利取りや好業績、資本効率改善への取り組みを支えに、年初来高値奪回から一段高を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)
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