(決算速報)
■鋳鍛造は利益60%増、粉末冶金は拡販・コスト削減奏功、経常利益の通期進捗40%
児玉化学工業<4222>(東証スタンダード)は、樹脂成形、鋳鍛造、粉末冶金の3事業を展開する加工メーカーである。2027年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比7.1%増の215億1400万円、営業利益が同95.4%増の8億3500万円、経常利益が同9221.9%増の6億8200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同98.1%減の4億2100万円となった。営業利益と経常利益が大幅に伸長し、3事業すべてで収益が改善した。純利益の大幅減は、前年同期にメプロホールディングスの子会社化に伴う負ののれん発生益220億5700万円を特別利益として計上した反動によるものである。
■鋳鍛造は60%増益、粉末冶金は黒字転換
セグメント別では、樹脂成形事業の売上高が同7.4%増の43億7700万円、セグメント利益が同39.9%増の3億5100万円となった。自動車向けが堅調だったほか、住宅設備向けの生産移管、海外子会社での家電向け出荷増、円安による円貨換算額の増加が寄与した。鋳鍛造事業は売上高が同4.6%増の125億9600万円、セグメント利益が同60.0%増の5億5700万円。国内・米国の四輪向け販売やタイの二輪向け販売が伸長した。粉末冶金事業は売上高が同14.4%増の45億4100万円、セグメント利益が5600万円となり、前年同期の5300万円の損失から黒字転換した。国内で進めてきた拡販施策が奏功したほか、各種コスト削減施策が計画を上回る成果を上げ、収益性が改善した。
■通期予想は据え置き、営業利益進捗は約38%
2027年3月期通期連結予想は据え置き、売上高800億円(前期比3.3%減)、営業利益22億円(同17.9%減)、経常利益17億円(同26.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(同94.1%減)を見込む。年間配当予想も10円を据え置いた。第1四半期時点の通期計画に対する進捗率は、売上高約26.9%、営業利益約38.0%、経常利益約40.1%、純利益約30.1%となり、利益面では比較的高い進捗となった。会社側は、中東情勢の不安定化や原油、ナフサを含む石油由来製品の価格高騰、供給不安など先行きの不透明感が続いているとして、5月14日に公表した通期業績予想を変更していない。
また、連結子会社YSK CORPORATIONが米オハイオ州で保有していた土地の譲渡が7月20日に完了し、約4億4000万円の固定資産売却益を第2四半期に特別利益として計上する予定である。通期業績予想には約4億円の売却益を織り込み済みで、業績予想への影響については精査中としている。
■新中計は29年3月期営業利益32億円、異素材加工技術の融合を成長軸に
中長期では、2026年5月に策定した「児玉化学工業グループ新中期計画2028」が焦点となる。メプロホールディングスのグループ化を踏まえ、樹脂と金属の異素材加工技術を融合し、既存事業の収益基盤強化、モビリティ領域でのシナジー創出、非モビリティ領域への展開による成長ドライバー確立を進める。最終年度の2029年3月期に売上高830億円、営業利益32億円、営業利益率3.9%を目標とし、その先の2031年3月期には売上高900億円、営業利益45億円、営業利益率5.0%を目指す。3年間で維持更新投資139億円、戦略投資57億円を計画しており、中計初年度から収益基盤の強化と再成長に向けた投資を進める。
■株価は年初来安値から持ち直し、利益進捗と低PBRも焦点
8月12日の通常取引終値は621円。2月19日の年初来高値1491円から調整し、7月30日に年初来安値538円を付けた後は持ち直している。8月12日時点で予想PERは6.9倍、実績PBRは0.34倍、予想配当利回りは1.61%、時価総額は約97億円となっている。
第1四半期は営業利益が前年同期比約2倍となり、樹脂成形と鋳鍛造が増益、粉末冶金も黒字転換するなど、3事業で収益改善が確認された。特に営業利益の通期進捗率約38%、経常利益の同約40%は今後の業績を見るうえで注目される。一方、中東情勢や原材料・エネルギー価格、為替変動など不透明要因も残る。株価は年初来高値から大きく調整し、PBRも1倍を下回る水準にあり、第2四半期以降も収益改善が続くか、中計で掲げる統合シナジーや再成長投資が成果につながるかが見直しの焦点となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2026年08月13日

































