(決算速報)
■監査・コンサル起点の総合提案が奏功、期末受注残は過去最高の31.8億円
ブロードバンドセキュリティ<4398>(東証スタンダード)は、セキュリティ・コンサルティング、脆弱性診断、情報漏えい対策、監視・運用などをワンストップで提供するサイバーセキュリティ企業である。2026年6月期決算(非連結、日本基準)は、売上高が前期比11.1%増の67億7900万円、営業利益が同98.4%増の5億1100万円、経常利益が同115.9%増の5億4200万円、当期純利益が同160.0%増の3億7100万円となり、売上高は過去最高を更新した。総合ソリューション営業への転換が定着し、監査・コンサルティングを起点としたアップセル、クロスセルが成果を上げた。2027年6月期は2ケタ増収、大幅増益を見込み、年間配当も1円増の17円を予定する。なお、2026年6月期の経常利益には秋田県の本社機能等移転促進事業補助金など約4000万円の収入が含まれる。
■総合ソリューション提案が定着、1社当たり売上高416万円へ
収益改善のポイントは、単品サービスを販売する営業体制から、顧客の課題を起点に複数サービスを組み合わせる総合ソリューション型への転換が成果を上げ始めたことにある。2026年6月期の顧客数は1628社と前期の1611社から微増にとどまった一方、1社当たり売上高は379万円から416万円へ上昇した。既存顧客へのアップセル、クロスセルによる顧客単価の上昇が収益拡大につながった。会社側によると、売上原価や販管費を一定程度に抑えられる収益構造のため、増収効果が利益に反映されやすい。下期だけを見ると売上高は前年同期比16.5%増、営業利益は同152.3%増となり、期後半に収益拡大が加速した。
■全サービス区分で過去最高、受注残も9.1%増
同社はセキュリティサービス事業の単一セグメントだが、決算説明資料では「監査・コンサルティング」「脆弱性診断」「情報漏えいIT対策」の3区分で動向を開示している。監査・コンサルティング売上高は前期比15.4%増の18億4900万円、脆弱性診断は同10.5%増の17億7800万円、情報漏えいIT対策は同9.0%増の31億5100万円となり、全サービス区分で前期を上回り、過去最高売上となった。監査・コンサルティングで顧客課題を把握し、脆弱性診断や情報漏えいIT対策へ案件を広げる営業モデルが機能している。
期末受注残高は前期比9.1%増の31億8300万円と過去最高を更新した。このうち定常収益源となる情報漏えいIT対策が67%、監査・コンサルティングが24%、脆弱性診断が9%を占める。特に監査・コンサルティングの受注残は7億6200万円まで積み上がっており、定常収益と将来の案件獲得につながるコンサルティング需要を双方取り込んでいることは、2027年6月期の業績を見るうえで重要なポイントとなる。
■27年6月期は営業利益46.6%増、利益率9.9%を計画
2027年6月期は売上高76億円(前期比12.1%増)、営業利益7億5000万円(同46.6%増)、経常利益7億3000万円(同34.6%増)、当期純利益4億7000万円(同26.7%増)を予想する。1株当たり当期純利益は106円96銭。営業利益率は前期の7.5%から9.9%へ2.4ポイント上昇する計画で、売上高の伸びを大きく上回る利益成長を見込む。過去最高の受注残、総合ソリューション営業体制の定着、情報漏えいIT対策の定常収益、監査・コンサルティングの受注残に加え、アウトソーシング型セキュリティ対策サービス「G−MDRR」の本格的な業績貢献を成長要因としている。
一方、2026年6月期は前期比で大幅な増収増益となったものの、期初予想の売上高71億円、営業利益7億円には届かなかった。会社側は、総合ソリューション営業体制の本格稼働に時間を要し、売上高が当初予想を下回ったことが営業利益にも影響したとしている。2027年6月期は営業利益7億5000万円と改めて高い利益成長を計画しており、過去最高の受注残を着実に売上高へ転換し、営業利益率9.9%を実現できるかが焦点となる。
■AI時代と能動的サイバー防御が中長期の成長テーマ
中長期では、AI普及に伴うサイバー攻撃の高度化・高速化と、能動的サイバー防御を巡る政策対応が事業機会となる。同社はコンサルティングを起点に、診断・対策から監視・運用まで総合的に提供できる体制を強みとし、AI活用による診断・監視・調査業務の自動化・高精度化「AI for Security」、AI導入企業向けの監査・統制支援「Security for AI」、セキュリティとAI双方を理解する専門人材の育成を進める。「Vision 2030」では顧客数3000社、営業利益25億円を経営指標に掲げており、2027年6月期予想の営業利益7億5000万円を足場に、中長期で成長速度をどこまで高められるかが注目される。
■17円へ増配、株主優待と合わせ株主還元を強化
株主還元も強化する。2027年6月期の年間配当は、2026年6月期の16円から1円増配して17円(中間8円、期末9円)を予定する。さらに、毎年12月末と6月末時点で300株以上を半年以上継続保有する株主を対象に、中間・期末各5000円相当、年間1万円相当のデジタルギフトを贈呈する株主優待制度を実施している。同社は財務状況や将来の投資計画などを総合的に勘案し、総還元性向を意識しながら、安定的・継続的な配当と資本効率向上に向けた自己株式取得などを株主還元方針としている。
■株価は年初来安値から持ち直し、利益成長の実現度が焦点
株価は8月12日終値が1308円で、前営業日比48円高。年初来高値は1月13日の1499円、年初来安値は6月29日の1202円で、安値からは持ち直している。会社予想の1株当たり当期純利益106円96銭を基準にすると予想PERは約12.2倍、2026年6月期末の1株当たり純資産549円31銭を基準としたPBRは約2.38倍、年間17円配当を前提とした予想配当利回りは約1.30%となる。今後は、過去最高の受注残を売上高へ着実に転換し、営業利益率9.9%への改善計画を実現できるかが最大の評価ポイントとなる。G−MDRの本格寄与やAI時代のセキュリティ需要を取り込み、計画通り利益成長を継続できれば、業績面からの見直しも期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2026年08月13日
ブロードバンドセキュリティ、26年6月期営業利益98.4%増、27年6月期も大幅増益・増配へ
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:31
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