【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック
2026年08月13日

アカツキ、1Q営業黒字転換、ゲーム事業急回復、1対3株式分割・サニーサイドアップG連結も焦点

(決算速報)

■ゲーム・コミック事業は売上高76.1%増、セグメント利益12.8億円、2QからM&A効果も

 アカツキ<3932>(東証プライム)は、ゲーム・コミックを主力に、オンラインくじやIP関連サービス、AI・DXソリューションなどへ事業領域を広げている。2027年3月期第1四半期連結決算(日本基準)は、売上高が前年同期比121.6%増の51億2600万円、営業利益が6億9300万円(前年同期は16億9800万円の損失)、経常利益が6億5200万円(同19億700万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が7億8700万円(同11億6700万円の損失)となり、大幅増収、各利益段階で黒字転換した。主力ゲームの収益回復に加え、新作「怪獣8号 THE GAME」の寄与、既存タイトル運営の効率化、新規開発一巡に伴う研究開発費の減少が利益改善につながった。

 さらに同社は8月12日、9月30日を基準日として普通株式1株を3株に分割すると発表した。効力発生日は10月1日。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図る。好決算に加えて、投資単位を引き下げる株式分割が新たな株価材料となる。

■ゲーム・コミック事業が急回復、「怪獣8号」と既存タイトルが寄与

 業績改善を牽引したのはゲーム・コミック事業である。売上高は前年同期比76.1%増の35億3700万円、セグメント利益は12億8200万円となり、前年同期の16億2200万円のセグメント損失から大幅に改善した。2025年8月末にリリースした「怪獣8号 THE GAME」が収益に寄与したほか、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」をはじめとする既存ゲームタイトルの業績も高水準で推移した。事業ポートフォリオの見直しや既存タイトル運営の効率化による費用削減、新規開発一巡に伴う研究開発費の減少も利益改善に寄与した。

■エンタメ・ライフスタイルは大幅増収、AI・DXは先行投資継続

 エンタメ・ライフスタイル事業は売上高が前年同期比183.6%増の8億4700万円、セグメント利益は同51.5%減の5900万円となった。オンラインくじ「Slash Gift」の案件獲得が続いたほか、前期にM&Aで連結対象となったPAPABUBBLEが増収に寄与した。一方、前年同期に「Slash Gift」の大型案件取引が集中していた反動で減益となった。AI・DXソリューション事業は売上高7億3300万円、セグメント損失9800万円。SNSマーケティングの新規案件獲得が順調に推移し、AIソリューションでもフィジカルAI領域を含めた受注獲得を進めているが、事業基盤確立と成長に向けた積極投資を継続しており、費用が先行している。

■サニーサイドアップGは2Qから連結寄与、経営統合効果が焦点

 今後の業績を見るうえで大きな変化要因となるのが、サニーサイドアップグループ<2180>(東証スタンダード)との経営統合である。アカツキによる公開買付けは成立し、7月1日に決済を完了して同社を連結子会社化した。公開買付価格は1株1320円で、普通株式935万5136株を取得し、買付後の所有割合は62.7%となった。サニーサイドアップグループの損益は第2四半期から連結業績へ寄与する予定である。アカツキが培ってきた「IP・エンターテインメントを創り出す力」と、サニーサイドアップグループの「PR・ブランドコミュニケーションの力」を組み合わせ、収益基盤をどこまで拡大できるかが注目される。

 また、スクイーズアウト手続き完了後には株式交換を予定している。基本合意では、株式交換完了後のアカツキの代表取締役を香田哲朗氏と次原悦子氏の2名とするほか、商号変更についても合意している。単なる子会社取得にとどまらず、両社の経営資源を組み合わせる経営統合であり、第2四半期以降は連結業績への寄与と統合効果が重要な評価軸となる。

■通期予想は非開示、2Q以降の収益構造変化を確認

 2027年3月期の通期連結業績予想は開示していない。ゲーム・コミック事業は短期的な事業環境の変化が激しく不確定要素が多いうえ、その他事業でも投資を継続する方針のため、適正かつ合理的な数値の算出が困難としている。このため、第1四半期の利益水準を単純に年率換算して評価することは適切ではない。四半期純利益には投資有価証券売却益5億4500万円の特別利益も含まれており、基礎的な収益力を見るうえでは営業利益の推移が重要となる。第2四半期以降はサニーサイドアップグループの連結寄与が加わるため、売上・利益の規模だけでなく、統合後の収益構造の変化にも注目したい。

■1対3の株式分割、中間配当は分割前ベース60円

 株式分割は2026年9月30日を基準日とし、10月1日に1株を3株へ分割する。発行済株式総数は分割前の1451万9800株から4355万9400株へ増加する予定で、資本金の変更はない。2027年3月期の中間配当予想は1株60円で、株式分割前の株式数を基準とした金額である。期末配当は業績予想の算出が困難なため未定としており、現時点では年間配当額や予想配当利回りを合理的に評価することはできない。

■自己株64.8億円取得、借入金増加で財務構造も変化

 第1四半期には東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)を通じて239万株の自己株式を取得し、自己株式は64億8100万円増加した。6月末の総資産は前期末比163億2000万円増の786億4600万円、負債は同228億2300万円増の397億7300万円となった一方、純資産は同65億300万円減の388億7200万円となった。負債では短期借入金が64億8100万円増加し、長期借入金も1年内返済予定分を含め167億3500万円増加した。自己資本比率は前期末の72.3%から49.0%へ低下しており、積極的な事業拡大とともに財務構造の変化も確認していく必要がある。

■株価は3230円、ゲーム収益回復と2Qからの連結効果が評価軸

 8月12日の通常取引終値は3230円で、前日比5円安だった。通期業績予想が非開示のため、予想PERは評価軸として用いにくい。6月末の自己資本385億6800万円と自己株式を除く期末株式数から算出した1株当たり自己資本は約3205円で、8月12日終値を基準としたPBRは約1.01倍となる。ただし、これはサニーサイドアップグループの連結子会社化前の6月末自己資本を基礎とした計算値であり、参考値として見る必要がある。株価面では1対3の株式分割による投資単位の引き下げに加え、ゲーム・コミック事業の収益回復が続くか、サニーサイドアップグループの連結が第2四半期以降の収益拡大につながるかが焦点となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

→【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック >


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:41 | 決算発表記事情報