【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック
2026年08月17日

【株式市場特集】レアメタル関連、業績上方修正相次ぐ、AI需要と供給不安が収益押し上げ

kabutokusyuu111.jpg

■タングステン・銅・金価格が上昇、AI需要と地政学リスクが相乗

 8月6日に非鉄・レアメタル関連銘柄で今期業績の上方修正が発表され、タングステンや銅、金など金属価格の上昇が収益拡大に寄与した。中国からの今年上期のレアアース輸入量はジスプロシウムが82%減、イットリウムが72%減となり、供給不安を背景に価格が上昇。AI需要の拡大と地政学リスクが重なり、業績上振れの波は「ツルハシ銘柄2.0」「草鞋銘柄」にも広がっている。低PER・低PBRの関連株も多く、コモディティ分野への物色拡大が注目される。

■化学株、非鉄株に大量示現しWTI関連株、金先物関連株も再浮上

 レアメタル関連で業績を上方修正した銘柄には、一部で関連事業を展開する化学株が意外に多い。リチウムの日本化学工業<4092>(東証プライム)、ボロンのレゾナック・ホールディングス<4004>(東証プライム)デンカ<4061>(東証プライム)、イットリウムの三菱ケミカルグループ<4188>(東証プライム)と続き、シリコンのトクヤマ<4043>(東証プライム)信越化学工業<4063>(東証プライム)は、期初に未定としていた今3月期の業績ガイダンスを開示し、連続増益を見込む。このうち日本化学工業のPERは10.7倍、三菱ケミカルグループは12.9倍、トクヤマは11.7倍と割安圏にある。高純度アルミ関連でも業績上方修正組が続出し、アルコニックス<3036>(東証プライム)はPER12.2倍、大紀アルミニウム工業所<5702>(東証プライム)は同6.0倍、日本軽金属ホールディングス<5703>(東証プライム)は同10.8倍である。

■非鉄・金・原油関連にも上方修正組、低バリュエーションが支援

 非鉄金属株も、マンガンの新日本電工<5563>(東証プライム)や非鉄大手の三井金属<5706>(東証プライム)住友金属鉱山<5713>(東証プライム)DOWAホールディングス<5714>(東証プライム)が業績を上方修正した。このうち住友金属鉱山のPERは11.9倍となっている。金先物関連では、松田産業<7456>(東証プライム)が上方修正組でPER8.7倍と割安である。金属商社の白銅<7637>(東証プライム)も業績上方修正組で、前週末14日に年初来高値を更新したが、PERは12.5倍、年間配当利回りは3.6%と市場平均を上回る。本家本元のWTI価格関連では、産油株のINPEX<1605>(東証プライム)石油資源開発<1662>(東証プライム)K&Oエナジーグループ<1663>(東証プライム)や、ビーピー・カストロール<5015>(東証スタンダード)日本精蝋<5010>(東証スタンダード)が業績を上方修正した。このうちINPEXは今12月期業績を2回目の上方修正とし、PERは8.4倍、PBRは0.9倍、配当利回りは3.0%の評価にとどまっている。

■レアメタル関連の小型株も割安株が揃い南鳥島レアアース泥開発株も再クローズアップ

 業績の上方修正までには至らなかったものの、今期第1四半期業績が好転して着地したレアメタル関連株にも人気波及余地がある。リンのラサ工業<4022>(東証プライム)、バリウムの堺化学工業<4078>(東証プライム)、ジルコニウムの第一稀元素化学工業<4082>(東証プライム)、アンチモンの日本精鉱<5729>(東証スタンダード)である。このうち堺化学工業はPER14.7倍、配当利回り4.0%、日本精鉱は同15.2倍、同3.43%と、バリュー株としての条件を備えている。

■南鳥島レアアース泥関連、プロジェクト進展で再評価余地

 レアメタル関連株では、高市内閣の経済安全保障政策の一つとして注目される南鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)深海でのレアアース泥採鉱試験関連銘柄も、プロジェクトの進展とともに感応度を高め、見直し買いが入る可能性がある。回収システムを開発する東洋エンジニアリング<6330>(東証プライム)を筆頭に、海洋土木の東亜建設工業<1885>(東証プライム)、海洋開発の三井海洋開発<6269>(東証プライム)、深海調査船関連の三井E&S<7003>(東証プライム)、無人探査機関連の岡本硝子<7746>(東証スタンダード)、子会社が揚泥管などの採掘機器を提供する三洋貿易<3176>(東証プライム)などをマークするところだろう。なお、三洋貿易は今年8月6日、今9月期業績の2回目の上方修正と記念増配、自己株式取得、株主優待制度を同時発表した。株価は株式分割の権利落ち後も高値を追う展開となっているが、PERは11.2倍、配当利回りは3.4%と、なお割安感を残している。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

→【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック >


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:10 | 特集