エイトレッド<3969>(東証スタンダード)はワークフローシステムのリーディングカンパニーとして、小規模企業向けクラウド型X−point Cloudと大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksを主力としている。27年3月期はクラウドサービスの拡大が牽引して増益・10期連続増配予想としている。第1四半期は計画を上回る2桁増収増益と順調だった。ストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の年初来安値圏から切り返している。そして週足チャート見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。戻りを試す展開を期待したい。
■ワークフローシステムの開発・販売
ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローシステム(ソフトウェア)の開発・販売およびクラウドサービスを展開している。
ワークフローシステムとは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書など、稟議・申請から承認・決裁に至る事務工程(ワークフロー)を電子化(システム化)するソフトウェア製品である。ワークフローシステムを導入することにより、業務プロセスの効率化(作業工数削減や時間短縮)、ペーパーレス化によるコスト削減(用紙・印刷・郵送・保管に係るコストの削減)、内部統制の強化(意思決定プロセスや承認日時のデータ化・可視化)などのメリットが得られる。
主力製品は、中堅・中小企業(従業員1000名以下)向けクラウド型X−point Cloud、中堅・大手企業(従業員数1000名〜数万名)向けパッケージ型AgileWorksである。収益はクラウド型が月額課金のクラウド利用料、パッケージ型が初期費用としてのライセンス料および年間サポートサービス料となる。利用企業数は増加基調であり、25年6月にはワークフローシステムのシリーズ累計導入社数が5000社を突破した。
24年3月にはAgileWorksクラウド版の販売を開始した。AgileWorksパッケージ版は従業員数1000名〜数万名といった大規模組織向けのワークフローシステムだが、AgileWorksクラウド版は従業員数500名程度の企業でも手軽に利用できるため、より幅広い企業規模のユーザーに提供することが可能になる。
25年8月にはX−point Cloudが、リコーのクラウド型業務改善プラットフォームRICOH kintone plusのオフィシャルパートナーに認定された。25年9月にはX−point Cloudが、日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証する令和5年改正法令基準の「スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得した。
なおクラウド型X−point Cloudへの移行により、以前の主力製品であった小・中規模企業向けのパッケージ型X−pointは22年3月に新規ライセンス販売を終了、25年3月に通常サポートを終了した。さらに27年3月には延長サポート・追加ライセンス販売を終了予定である。これに伴い、AgileWorksへのアップセルやX−point Cloudへの移行、AgileWorksクラウド版による未開拓領域への展開、X−point Cloudの価格体系変更による単価向上を推進している。
■クラウドサービスが主力でストック型収益構造
同社はクラウドサービスが主力でストック型収益構造となっている。26年3月期の製品別売上高は、Cloudがユーザー数の増加やパッケージ型からの移行により22.5%増の16億67百万円、AgileWorks(パッケージ型)がWindows10サポート終了に伴うPC入れ替えに需要が流れた影響などで9.7%減の10億49百万円、パッケージ型X−pointが22年3月の新規ライセンス販売終了により23.6%減の1億85百万円だった。また全社ベースのクラウド比率は8.3ポイント上昇して57.5%となった。四半期別ストック売上比率は第1四半期が5.6ポイント上昇して90.0%、第2四半期が13.8ポイント上昇して89.9%、第3四半期が0.6ポイント上昇して85.3%、第4四半期が2.4ポイント上昇して89.3%となった。
■社内文書電子化のリーディングカンパニー
同社は社内文書(申請書・稟議書)電子化のリーディングカンパニーである。複数の市場調査レポートでワークフロー市場における出荷金額・売上金額実績シェア1位を獲得している。
テクノ・システム・リサーチの「2023年SaaSワークフロー市場データ」においては、X−point Cloudが、従業員数別メーカーシェア100人未満カテゴリー(シェア26.9%)および100人以上1000人未満カテゴリー(シェア34.1%)でシェアNO.1を獲得した。また売上高別メーカーシェア100億円未満カテゴリー(シェア35.9%)および100億円以上1000億円未満カテゴリー(シェア30.3%)でシェアNO.1を獲得した。
25年7月にはITreview主催の「Customer Voice Leaders 2025」の「インテントデータ活用部門」を受賞した。
25年9月にはX−point Cloudが、PRONI(株)主催のアワード「PRO of the DX Award 2025(上期)」ワークフローシステム部門において最優秀賞を受賞した。
26年5月にはアイティクラウド主催の「ITreview The Best Software in Japan 2026」において69位選出され、初のトップ100入りを果たした。
デロイト トーマツ ミック経済研究所の「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望2025年度版」では、X−point CloudがSaaS・ASP型ワークフロー市場シェア(出荷金額)で11年度から14年連続シェアNO.1(24年度実績金額シェア28.0%)となった。ユーザー規模別でSMB(100人未満)向けワークフロー市場シェアでも14年連続NO.1(同50.3%)となった。同社は特に小・中規模企業向けを強みとしている。
富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2026年版」においては、同社製品がSaaS/PaaSワークフロー市場における25年度の市場占有率推移(金額)でトップシェアとなる15.9%を獲得した。
26年7月にはAgileWorksおよびX−point Cloudが、アイティクラウド主催の「ITreview Grid Award 2026 Summer」ワークフロー部門において、最高位の「LEADER」を18期連続で受賞した。また26年7月にはAgileWorksが、KanseiLink主催のアワード「ARI Award 2026 Summer」において最高評価のAAA認定を獲得した。
■ワークフローシステム「デジタル申請・稟議書」市場は拡大基調
今後は中堅・中小企業においても、業務効率化を実現するワークフローシステム「デジタル申請・稟議書」の導入が加速し、市場は拡大基調が予想される。こうした事業環境に対応し、X−point CloudとAgileWorksを主力として、カバレッジ拡張や他社サービスとの連携を強化しながら売上拡大を推進する方針だ。事業戦略の基本は、日本型業務プロセスに適した製品によって他社製品との差別化を図る、導入企業ごとの個別カスタマイズを行わずに開発コストを抑制する、開発に特化して販売パートナー企業(販売代理店)を活用するとしている。販売パートナーは大手SIerなどで構成され、全国に営業網を構築している。
■27年3月期増収増益予想
27年3月期の業績(非連結)予想は売上高が前期比12.3%増の32億60百万円、営業利益が11.4%増の11億70百万円、経常利益が10.2%増の11億70百万円、当期純利益が9.3%増の7億83百万円としている。配当予想は前期比2円増配の36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。10期連続増配予想で予想配当性向は34.4%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比13.4%増の7億88百万円で、営業利益が14.2%増の2億54百万円、経常利益が16.3%増の2億59百万円、四半期純利益が17.1%増の1億66百万円だった。計画を上回る2桁増収増益と順調だった。クラウドサービスが拡大し、人件費やクラウドインフラコストなどの増加を吸収した。
製品別の売上高は、Cloud(X−point Cloud、AgileWorksクラウド版)がユーザー数増加やパッケージ型からの移行により10.6%増の4億42百万円、パッケージ型AgileWorksがバージョンアップ効果などにより26.0%増の3億08百万円、パッケージ型X−point(22年3月に新規ライセンス販売終了)がクラウドシフトにより25.2%減の38百万円だった。なおパッケージ型AgileWorksのフロー売上高が大幅に増加したため、全体のクラウド比率は1.4ポイント低下して56.1%、ストック売上比率は4.5ポイント低下して85.5%となった。
営業利益(前年同期比31百万円増益)の要因別変動分析は、クラウド売上増加で42百万円増益、パッケージ売上増加で50百万円増益、人件費増加で20百万円減益、積極的な新機能開発投資に伴う減価償却費増加で19百万円減益、クラウドインフラコスト増加で23百万円減益、その他で1百万円増益だった。
通期の業績(非連結)予想は前回予想(26年4月28日付の期初公表値)を据え置いている。クラウドサービスが牽引し、コスト増加を吸収する見込みだ。
製品別売上高の計画は、Cloud(X−point Cloud、AgileWorksクラウド版)が23.1%増の20億53百万円、パッケージ型AgileWorksが6.1%増の11億13百万円、パッケージ型X−pointがサポート終了(27年3月予定)に伴い49.8%減の92百万円としている。クラウド比率を63%に引き上げる計画で、主力のX−point Cloudはパッケージ型からのシフトや新規顧客獲得により拡大基調である。AgileWorksクラウド版は認知度向上を目指す。パッケージ型AgileWorksは既存顧客へのバージョンアップやアップセルを図り、レガシーシステムからの乗り換え需要を捉えて新規顧客獲得を推進する。パッケージ型X−pointはクラウドやAgileWorksへの移行を推進する。
営業利益(前期比1億09百万円増益)の要因別変動計画は、クラウド売上増加で4億22百万円増益、パッケージ売上減少で65百万円減益、人件費増加で61百万円減益、積極的な新機能開発投資に伴う減価償却費増加で59百万円減益、クラウドインフラコスト増加で80百万円減益、その他で48百万円減益としている。
第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益21.8%と順調である。ストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株主優待制度は毎年9月末および3月末の年2回
株主優待制度(詳細は会社HP参照)については毎年9月末および3月末時点(年2回)を対象として、保有期間および保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈する。
■株価は戻り試す
株価は6月の年初来安値圏から切り返している。そして週足チャート見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。戻りを試す展開を期待したい。8月26日の終値は1413円、今期予想PER(会社予想のEPS104円58銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約2.5%、前期実績PBR(前期実績のBPS739円04銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約106億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
→【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック >
2026年08月27日
エイトレッド、27年3月期増収増益・10期連続増配予想、クラウドシフトが収益拡大を牽引
【アナリスト銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:37
| アナリスト銘柄分析

































