
――権利取り接近で注目
■上方修正・増配・自社株買いとの「複合材料」を重視、51銘柄から割安株と主力株を探る
9月に株式分割の権利取りを迎える銘柄が相次ぐなか、単なる分割材料だけでなく、業績上方修正、増配、自己株式取得、株主優待制度などを同時に打ち出した銘柄への選別色が強まりそうだ。低PER、高配当利回り、PBR1倍割れといった割安指標に加え、金利上昇の追い風を受ける銀行株や、調整色を強めたAI・半導体関連の主力ハイテク株にも分割権利取りを手掛かりとした見直し余地がある。9月相場の個別株物色では、「株式分割+α」の複合材料を備えた銘柄が有力な選別軸となりそうだ。
■フルセット銘柄でもトリプルセット銘柄でも低PER・高配当利回り
株式分割と業績上方修正、増配、自己株式取得を同時発表したフルセット銘柄はRYODEN<8084>(東証プライム)で、このセットに一つ及ばなかったトリプルセット銘柄をコード番号順に挙げると、大和ハウス工業<1925>(東証プライム)、日本甜菜製糖<2108>(東証プライム)、三洋化成工業<4471>(東証プライム)、東計電算<4746>(東証スタンダード)、レイズネクスト<6379>(東証プライム)、伯東<7433>(東証プライム)、ナカニシ<7716>(東証スタンダード)、日本瓦斯<8174>(東証プライム)、KSK<9687>(東証スタンダード)と続く。このうち大和ハウスはPER10.9倍、配当利回り3.7%、日本甜菜製糖は同13.0倍、4.8%、東計電算は同14.3倍、6.9%、KSKはPER12.4倍、伯東は同15.5倍と割安水準にある。
■ダブルセット銘柄にもPER10倍台前半が並ぶ
業績上方修正との同時発表となったダブルセット銘柄では、クラボウ<3106>(東証プライム)がPER11.5倍、その後、前週末28日に優待制度導入を発表した豊田合成<7282>(東証プライム)が同11.1倍である。増配との同時発表ではテクノ菱和<1965>(東証スタンダード)が同11.9倍、丸全昭和運輸<9068>(東証プライム)が同11.0倍、バローホールディングス<9956>(東証プライム)が同11.5倍、その後、前週末28日に自己株式取得を発表したスズケン<9987>(東証プライム)が同14.0倍と低評価である。このほかバリュー株では、PER10倍台の鉄建建設<1815>(東証プライム)、ヒビノ<2469>(東証スタンダード)、日本石油輸送、11倍台のカヤバ<7242>(東証プライム)、12倍台の山九<9065>(東証プライム)、13倍台のライト工業<1926>(東証プライム)、ニフコ<7988>(東証プライム)なども見逃せない。
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■PBR1倍割れの地銀株が浮上、株主還元との複合材料に注目
銀行株では三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)が、優待制度導入と自己株式取得・消却を組み合わせたトリプルセット銘柄である。ダブルセット銘柄では、大垣共立銀行<8361>(東証プライム)が優待制度拡充、阿波銀行<8388>(東証プライム)が中間業績の上方修正、北日本銀行<8551>(東証プライム)が自己株式取得・消却との同時発表である。三井住友FGのPERは15.3倍、北日本銀行は同14.4倍である。このほか、大垣共立銀行や阿波銀行、北日本銀行と同様にPBRがなお1倍を割っている地銀株も要注目で、秋田銀行<8343>(東証プライム)、山梨中央銀行<8360>(東証プライム)などが浮上する。
■主力ハイテク株も分割権利取りが株価大出直りを後押し
AI・半導体関連の主力ハイテク株でも株式分割を予定している銘柄が相次いでおり、キオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)、イビデン<4062>(東証プライム)、三井金属<5706>(東証プライム)、オルガノ<6368>(東証プライム)、ダイヘン<6622>(東証プライム)、東京エレクトロン<8035>(東証プライム)などが並ぶ。月末に向けた分割権利取りが株価の大出直りをサポートする可能性もあり、目が離せない。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)
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