清水建設<1803>(東証プライム)は9月2日、山岳トンネル施工の安全性と生産性向上を目的に、移動式LiDARで掘削精度をリアルタイムに計測・評価する切羽計測システム「S−LiRT」を開発・実用化した。トンネル両側面に設置した2台のLiDARが双方向から3次元点群計測し、掘削機のブームによる死角を補完。切羽形状の絶対座標を取得し、「アタリ」と「余掘り」の量を即座に算出して運転席のモニタに色分け表示する。

■切羽近傍での目視計測を代替、作業員の立ち入り削減
山岳トンネルでは、設計断面より岩盤が出っ張る「アタリ」や掘り過ぎとなる「余掘り」が発生し、切削や吹き付けコンクリートによる補修が必要となる。従来は切羽近傍からの目視で掘削精度を確認していたが、S−LiRTの導入により遠隔・リアルタイムでの確認が可能となる。LiDARは計測時にレール先端へ移動し、発破やズリ出し時には最後尾へ退避して破損を防ぐ。
実用化に向け、機械掘削の日田山国道路1号トンネル本坑1工区と、発破掘削の米子自動車道三平山トンネル工事で性能を実証した。比較的安価でシンプルな機構ながら、現場での使い勝手に優れ、安全性と生産性の向上を確認したという。清水建設は今後、S−LiRTを山岳トンネル工事の標準技術と位置付けるとともに、施工のオートメーション化に向けた要素技術として現場実装を進める。
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