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2026年09月03日

Jトラスト、26年12月期増収増益予想、中間期大幅増益で上振れ期待、日本金融事業が牽引

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。26年8月には一部の子会社を分社化するスピンオフ(対象は韓国金融事業、東南アジア金融事業、投資事業)の検討開始を発表した。26年12月期は増収増益予想としている。日本金融事業の好調が牽引する見込みだ。中間期が計画超の大幅営業増益だったことを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は8月の高値圏から急反落の形となったが、売り一巡感を強めている。低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■日本、韓国、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。また26年8月7日付で、一部の子会社を分社化するスピンオフ(対象は韓国金融事業、東南アジア金融事業、および投資事業)の検討開始を発表した。

 25年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は日本金融事業が78億80百万円、韓国金融事業が24億42百万円、東南アジア金融事業が10億36百万円、不動産事業が5億91百万円、投資事業が8億19百万円、その他が27百万円の損失だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は、主に日本保証が信用保証/消費者・事業者向け金融事業、パルティール債権回収が債権回収業、Jトラストグローバル証券(以下:JTG証券)が証券業、Nexus Cardがクレジットカード事業を展開している。日本保証は保証残高が26年3月末時点で3000億円に到達した。

 韓国金融事業は、主に韓国・JT貯蓄銀行と韓国・JT親愛貯蓄銀行が銀行業を展開している。なお韓国で債権の買取および管理回収業を展開してきたが、韓国の債権回収業を担っていたTA Assetは事業譲渡を完了した。これにより同社の韓国事業ポートフォリオ見直しが進むことになる。

 東南アジア金融事業は、インドネシアでJトラスト銀行インドネシア(以下:BJI)が銀行業、Jトラストインベストメンツインドネシア(以下:JTII)が債権回収業、TA Assetインドネシア(以下:TAID)が債権回収業、カンボジアでJトラストロイヤル銀行(以下:JTRB)が銀行業を展開している。なお23年6月に、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(以下:JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約を締結した。これによりJTOは連結除外となる。

 不動産事業は同社、Jグランド、ライブレント、グローベルスが展開している。Jグランドは23年5月にライブレントを子会社化、25年3月に子会社グランド保証を設立して家賃保証事業に参入、25年4月にクレディセゾンと業務提携して家賃保証サービスを開始、25年11月に不動産特定共同事業法に基づく金融庁長官・国土交通大臣認可を取得して不特法クラウドファンディングサービスを開始した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGLH社に出資したが、17年10月にタイGLH社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このためタイGLH社、此下益司氏およびGLH社の関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起しており、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど資金回収が進展している。直近の経過(26年8月10日付リリース)として、タイにおいてJトラストアジアがGLに対して提起していた民事訴訟に係る第一審判決の言い渡しがあり、裁判所はJトラストアジアの請求を基本的に認容し、GLに対して遅延損害賠償金の支払等の判決を言い渡した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務を展開している。またKeyHolder<4712>は持分法適用関連会社となっている。

■26年12月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 26年12月期の連結業績(IFRS)予想については営業収益が前期比4.6%増の1300億円、営業利益が6.4%増の116億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.0%増の81億円としている。配当予想は前期と同額の17円(期末一括)としている。前期の17円には記念配当1円を含んでいるため普通配当ベースでは1円増配となる。予想配当性向は27.9%である。

 中間期の連結業績(IFRS)は営業収益が前年同期比3.1%増の624億05百万円、営業利益が59.1%増の72億86百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益が4.4倍の61億28百万円だった。増収・大幅増益で、営業利益は計画の46億円に対して26億円(56%)上回る水準で着地した。日本金融事業の好調が牽引し、韓国金融事業や不動産事業の収益改善も寄与した。

 日本金融事業の営業利益は45.5%増の51億57百万円だった。大幅増益だった。債権回収業務における簿価修正益の増加、クレジット・信販業務における割賦立替手数料の増加、証券業務における金融業務受取手数料の増加などにより営業収益が19.7%増収と好調に推移した増収効果に加え、貸倒引当金(損失評価引当金)の減少も寄与した。

 韓国金融事業の営業利益は3.0倍の15億24百万円だった。大幅増益だった。営業収益は預金利息収益の減少や前期計上した有価証券売却益の反動で1.1%増収にとどまったが、利益面は調達金利低下による預金利息費用の減少、債権売却損の減少、貸倒引当金(損失評価引当金)の減少が寄与した。

 東南アジア金融事業の営業利益は17.8%減の12億84百万円だった。減益だった。インドネシアの銀行業における平均貸出金利の低下、カンボジアの銀行業における貸出金利息収益の減少などにより営業収益が12.6%減少したほか、インドネシアにおける外国為替売買・換算損が増加したことなども影響した。

 不動産事業の営業利益は10億67百万円(前年同期は6百万円の損失)だった。新築分譲マンション販売が堅調に推移して営業収益が41.3%増収となり、固定資産売却益を計上したことも寄与した。

 投資事業の営業利益は4億73百万円の損失(同39百万円の損失)だった。貸付債権減少に伴う貸付金利息収益減少などで営業収益が39.8%減少したほか、訴訟費用の増加も影響した。その他事業の営業利益は10百万円の損失(同15百万円の損失)だった。

 なお中間期のセグメント別営業利益の計画比増減内訳は、日本金融事業が7億円上振れ、韓国金融事業が1億円上振れ、東南アジア金融事業が25億円上振れ、不動産事業が5億円上振れ、投資事業が11億円下振れ、連結ベースで26億円上振れとなった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は営業収益310億41百万円で営業利益34億48百万円、第2四半期は営業収益313億64百万円で営業利益38億38百万円だった。

 通期の連結業績予想については、前回予想(26年2月13日付の期初公表値)を据え置いて増収増益予想としている。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が20.0%増の94億58百万円、韓国金融事業が57.3%増の38億42百万円、東南アジア金融事業が10億31百万円の損失(前期は10億36百万円)、不動産事業が92.2%増の11億37百万円、投資事業が54.3%減の3億74百万円、その他事業が1億87百万円の損失(前期は27百万円の損失)としている。

 日本金融事業は信用保証業務、債権回収業務、証券業務が順調に伸長して増収増益を見込む。韓国金融事業は、短期延滞債権の回収に注力して貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の減少を見込むほか、大型不良債権のリファイナンシング等による貸倒引当金(損失評価引当金)戻入益を見込む。東南アジア金融事業は、インドネシアでは銀行業務の積極的な貸出残高の増強など、カンボジアでは富裕層を主要顧客とする貸出および運用提案を強化する。不動産事業は総合不動産会社として商品ブランド戦略を推進する。投資事業は投資収益の確保やGL社に対する損害賠償金の回収を推進する。

 通期予想に対する中間期の進捗率は営業収益48%、営業利益62%、親会社の所有者に帰属する当期利益75%である。中間期が計画超の大幅営業増益だったことを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年6月末日対象、特別優待も実施

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年6月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。26年5月14日には26年12月期の株主優待制度の詳細をリリースした。また26年6月17日付で特別株主優待(26年9月2日現在の100株以上保有株主を対象としてデジタルギフト最大1万円相当)の実施を発表した。さらに26年6月23日付で宝塚歌劇公演(宝塚大劇場)チケット抽選の詳細を公表した

■株価は戻り試す

 25年7月には、FTSE RussellのESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初めて選定された。

 なお26年8月7日付で自己株式取得(上限250万株または20億円、取得期間26年8月10日〜26年12月30日)を発表し、さらに26年8月13日付で取得枠拡大(上限250万株または20億円を上限625万株または50億円に拡大、取得期間は変更なし)発表した。そして26年8月31日時点で累計取得株式総数が314万500株となった。

 株価は8月の高値圏から急反落の形となったが、売り一巡感を強めている。低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。9月2日の終値は753円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円84銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1215円44銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約1005億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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