【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック
2026年09月03日

内田洋行、26年7月期は売上高・各利益が過去最高、配当76円へ4円増額・累進配当導入

(決算速報)

■GIGA特需で営業利益28%増、最高益と株主還元強化を同時発表

 内田洋行<8057>(東証プライム)は、教育ICTや自治体向けシステム、オフィス環境構築、企業向け情報システムなどを展開している。9月2日に発表した2026年7月期連結決算は、売上高が前期比26.3%増の4257億29百万円、営業利益が同28.4%増の156億31百万円、経常利益が同27.8%増の167億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.1%増の124億86百万円となり、売上高と各利益はいずれも前期に続いて過去最高を更新した。

 同時に2026年7月期の1株当たり配当を従来予想の72円から76円へ4円増額し、2027年7月期から配当水準の維持または引き上げを基本とする累進配当を導入すると発表した。最高益更新に加え、株主還元方針を明確化したことも株式市場で注目される材料となる。

■公共関連は売上高74%増、営業利益71%増と急拡大

 最大の牽引役は公共関連事業だった。GIGAスクール構想に伴う1人1台端末の更新需要がピークを迎え、増強したキッティングセンターの処理能力と全国規模の展開力を生かして大規模導入を進めた。校務系・学習系ネットワークの統合や県単位の大型校務システム案件も伸長し、同事業の売上高は前期比73.6%増の1610億38百万円、営業利益は同71.2%増の89億74百万円となった。全社営業利益の6割近くを占め、最高益更新を主導した。

 オフィス関連事業は、前期の大型案件の反動で売上高が0.4%減の591億72百万円となったものの、海外市場の回復やオフィス周辺事業の収益性改善により営業利益は7.3%増の21億32百万円となった。情報関連事業は、AI・データ活用を見据えた大型システム案件や会議室運用支援サービス、クラウド型ソフトウェアライセンスが伸び、売上高は11.3%増の2044億47百万円。一方、利益率の高い中小企業向けSI案件では、半導体不足に伴うサーバーやPCの供給遅延で商談が延伸したほか、業務システム更新需要の端境期も影響し、営業利益は6.5%減の42億93百万円となった。情報関連事業の利益回復が次期の焦点の一つとなる。

■27年7月期は反動減を見込むも、中計当初目標を大幅に上回る

 2027年7月期の連結業績予想は、売上高が前期比6.0%減の4000億円、営業利益が同4.0%減の150億円、経常利益が同4.6%減の160億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.9%減の105億円。GIGAスクール端末更新案件が残り一部となり、Windows 10のサポート終了に伴う更新需要も収束するほか、前期に計上した投資有価証券売却益を見込まないため減収減益を予想する。一方、民間市場ではDX投資やオフィス環境構築、大手民間ICT、中小企業向け業務システム案件の回復を見込んでいる。

 注目されるのは、第17次中期経営計画策定時の最終年度目標を大幅に上回る点である。当初はGIGA特需の収束を前提に、2027年7月期の売上高3400億円、営業利益115億円を見込んでいた。今回予想は当初計画に対し、売上高で約18%、営業利益で約30%上回る。GIGA・Windows更新需要の反動を織り込みながらも、計画策定時より収益基盤が底上げされていることを示す。大手民間ICT事業の実質的な一本化や、教育ICTと自治体ビジネスの連携強化が次の成長軸となる。

■配当76円を維持予定、累進配当で還元の予見性高まる

 株主還元も強化する。2026年7月期の配当は業績上振れを受け、従来予想の72円から76円へ4円増額し、配当総額は37億50百万円となる。2027年7月期も76円を予定する。さらに、一時的な業績変動に左右されず継続的かつ安定的な配当を実施するため、配当水準の維持または引き上げを基本とする累進配当に方針を変更した。

 2027年7月期は純利益の減少を予想しながら配当を据え置く計画であり、株主還元の予見性は高まる。2026年7月期の自己資本利益率(ROE)は前期の14.5%から16.0%へ上昇し、自己資本比率も40.3%から45.8%へ改善した。財務基盤の強化と還元拡充を両立する姿勢も評価ポイントとなる。

■株価は年初来高値圏、営業利益150億円の持続力が焦点

 株価は9月2日に前日比40円安の2304円で取引を終えた。前日の9月1日には年初来高値2364円を付けており、依然として高値圏にある。9月2日終値を会社予想の2027年7月期1株利益212円89銭、年間配当76円に当てはめると、予想PERは約10.8倍、予想配当利回りは約3.30%となる。また、2026年7月期の1株純資産1737円66銭を基準としたPBRは約1.33倍となる。

 短期的にはGIGAスクールとWindows更新需要の反動減が意識されやすいが、これを織り込んでも2027年7月期に営業利益150億円を計画し、中計策定時の最終年度目標115億円を大きく上回る点は重要である。今後は特需の規模よりも、大手民間ICT、オフィス環境構築、中小企業向けSI、自治体システム標準化などを通じて150億円規模の営業利益を維持できるかが評価の焦点となる。累進配当も評価材料となり、特需後の収益力と株主還元の両面を見極める展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

→【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック >


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:24 | 決算発表記事情報