
■4期ぶり最高純益更新予想、中東情勢の緊迫化で再上振れ期待も
大伸化学<4629>(東証スタンダード)は、前日2日に9円安の2200円と4営業日ぶりに反落して引けた。米国によるイランへの再攻撃やイランの報復攻撃再開など中東の地政学リスクが再燃し、原油先物(WTI)価格が急騰。インフレ懸念の強まりから日米の長期金利が上昇し、日経平均株価が1889円安と急続落したことが波及した。今年8月10日に年初来高値2250円に顔合わせしていた同社株にも、目先の利益を確定する売りが出た。
ただ、シンナーなど有機溶剤の国内トップメーカーである同社は、ホルムズ海峡の閉鎖に伴う中東産原油・ナフサの調達難や原材料価格高騰への価格転嫁などを背景に、今年8月7日、2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月期)決算の開示に合わせ、第2四半期累計(2026年4月〜9月期、2Q)業績と通期業績を上方修正した。通期純利益は4期ぶりに過去最高を更新する見通しであり、中東の地政学リスク再燃によって、業績上振れの再現可能性も意識されそうだ。投資バリュー面でも割安で、下値での逆張りには一考の余地がありそうだ。
■新規顧客開拓で出荷量が前年並みに回復、販売価格改定も寄与
業績上方修正のうち2027年3月期通期業績は、期初予想に比べ売上高を24億3000万円、営業利益を6億6000万円、経常利益を6億8000万円、純利益を4億7000万円それぞれ引き上げた。売上高384億7000万円(前期比11.2%増)、営業利益19億6000万円(同67.5%増)、経常利益20億3000万円(同64.2%増)、純利益12億8000万円(同43.9%増)を見込み、連続増益率を拡大する。純利益は2023年3月期の過去最高9億5500万円を4期ぶりに大幅更新する見通しだ。
主力製品の新規顧客開拓を引き続き推進したことなどから、第1四半期の出荷量は3万3603トン(前年同期比0.5%減)と前年同期並みまで回復した。販売価格の改定も進めたほか、原材料価格上昇によって在庫受払差がプラスとなったことなども業績改善に寄与した。
■WTI一時92ドル、原油・ナフサ価格次第で業績再上振れも
今回の業績上方修正は、第2四半期累計業績と通期業績の修正幅が同額となっている。今後の中東の地政学リスクやホルムズ海峡の開放・閉鎖動向に加え、原油・ナフサ価格の推移が業績を左右するポイントとなる。
9月2日の時間外取引ではWTI価格が一時1バーレル=92ドルと、今年7月下旬以来の高値をつけた。原油価格やナフサ価格の動向次第では、さらなる業績上振れの可能性も強まりそうで、中東情勢から目が離せない。
■ゴールデンクロス示現、PER7倍台・PBR0.5倍台の割安修正へ
株価は、前期第3四半期の高い利益進捗率を手掛かりに年初来高値2250円まで買われた。また、カルビー<2229>(東証プライム)が有機溶剤不足を背景に商品パッケージを2色印刷へ変更した際にも2200円まで上昇するなど材料に敏感に反応してきた。その後は米国とイランの停戦交渉や原油価格の動向に連動し、上昇・下落を繰り返している。
今回の業績上方修正を受けて再び年初来高値に顔合わせし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)も示現した。上昇トレンドへの転換を示唆し、その後は高値圏でもみ合っている。PERは7.8倍、PBRは0.57倍と割安であり、年初来高値奪回から上値チャレンジへの再発進が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)
→【総合版】最新の株式・IRニュース一覧をチェック >

































