
■日経平均1889円安、AI・半導体一辺倒から銀行・資源・高配当株へ
9月相場は早くも大きな転換点を迎えた。2日の日経平均株価は前日比1889円70銭安の6万4325円64銭と3日続落し、一時2000円近く下落した。東証プライム市場では33業種すべてが下落する全面安となった。背景にあるのは、中東情勢の緊迫化による「原油高」、世界的な「長期金利上昇」、そして「日米金融引き締め観測」という三つの圧力である。
日本の新発10年国債利回りは一時3%台に上昇し、市場では9月17〜18日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測が強まっている。米国でも10年国債利回りが4.8%台まで上昇し、FRBによる9月利上げ観測が浮上した。日銀とFRBが相次いで利上げする「日米ダブル利上げ」が現実味を帯びれば、株式市場の評価尺度そのものが変わる可能性がある。
■高PER株に逆風、次の主役候補は
長期金利上昇は、将来の高成長を織り込んで高いPERを許容されてきたAI、半導体、グロース株には逆風となる。2日の東京市場でもソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)、東京エレクトロン<8035>(東証プライム)、アドバンテスト<6857>(東証プライム)など値がさハイテク株が日経平均を押し下げた。
一方、金利上昇が定着すれば、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)、みずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)など銀行株が注目されやすい。原油高が続けばINPEX<1605>(東証プライム)など資源株も物色候補となる。ただし、急激な金利上昇は景気減速や保有債券への懸念も招くため、「金利高=銀行株全面高」と単純化はできない。
■「日本3%・米国5%・原油100ドル」が分岐点
9月相場で注視したいのは「日本10年債3%」「米10年債5%」「原油100ドル」の三つの節目だ。ここで上昇が一服すれば、急落したAI・半導体株には自律反発の余地がある。逆に三つが定着すれば、高PER成長株一辺倒から、銀行、資源、高配当、低PER、安定したキャッシュフローを持つ企業へ物色の軸が移る可能性がある。
9月相場は「何が上がるか」だけでなく、「金利上昇と原油高に耐え、利益につなげられる企業はどこか」という選別が重要になる。2日の1889円安は、日本株の主役交代を占う号砲となるのか。日米金融政策と債券・原油市場から目が離せない。
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