
■東京海上1対15、SMFG再分割――キーエンス、SMC、ディスコなど「次の候補」を探る
9月相場で株式分割が一大テーマになっている。9月に関連する分割予定は53銘柄。だが焦点は「その次」だ。東京証券取引所は7月28日、投資単位が50万円以上の上場会社に株式分割による引き下げを改めて要請した。2026年3月末で93.4%が50万円未満となった一方、高投資単位会社はなお残る。東証は「更なる少額投資」のワーキング・グループも設置し、個人投資家が参加しやすい市場づくりを加速している。
■「50万円未満」の先に「10万円程度」
東証の正式な望ましい投資単位は50万円未満だが、個人投資家調査ではニーズは「10万円程度」とされる。象徴的なのが東京海上ホールディングス<8766>(東証プライム)の1対15分割で、9月30日を基準日として最低投資金額を大幅に引き下げる。三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)も2024年の1対3に続き、10月1日付で1対2に再分割する。キオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)は1対3分割後も50万円未満への移行を引き続き検討するとしており、「一度分割した会社の再分割」も新たなテーマになりそうだ。
■10月TOPIX改革も「流動性」を意識
10月には次期TOPIXの初回定期入れ替えが始まる。全市場区分を母集団とし、継続採用では年間売買代金回転率0.14以上、浮動株時価総額の累積比率上位97%以内が基準となる。株式分割で時価総額そのものは増えないが、最低投資金額を下げ、参加者を広げる効果が期待される。分割とTOPIX改革は「流動性を高める経営」という点でつながる。
■キーエンス、SMC、ディスコ――次の候補をどう探す
野村證券が7月6日時点でTOPIX500を対象に「最低投資単位75万円以上、個人投資家保有比率20%以下」で抽出した銘柄には、キーエンス<6861>(東証プライム)、SMC<6273>(東証プライム)、ディスコ<6146>(東証プライム)、MARUWA<5344>(東証プライム)、HOYA<7741>(東証プライム)、アドバンテスト<6857>(東証プライム)、ダイキン工業<6367>(東証プライム)、光通信<9435>(東証プライム)などが並ぶ。
同リストに含まれていたイビデン<4062>(東証プライム)、オルガノ<6368>(東証プライム)、日本特殊陶業<5334>(東証プライム)、東京エレクトロン<8035>(東証プライム)、山九<9065>(東証プライム)は、その後9月末基準の分割を決めた。もちろん残った銘柄が分割するとは限らないが、「高い最低投資金額×低い個人株主比率」は有力な着眼点となる。
■「分割した株」から「次に分割する会社」へ
狙うべきは高株価だけではない。高い最低投資金額、個人株主比率、流動性改善への姿勢に、好業績、増配、自社株買い、株主優待などの「+α」を重ねたい。9月53銘柄はゴールではない。「分割した株」を追う相場から、「次に分割する会社」を先回りして探す相場へ。分割ラッシュ第2幕では、企業が株主層をどう設計するかまで読む視点が重要になりそうだ。
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