
■米雇用統計で利上げ観測再燃、今週は「物価」と「金利」が焦点
9月7日から始まる日本株市場は、「金利」が相場の方向を左右する1週間となりそうだ。米国では10日に8月の生産者物価指数(PPI)、11日に消費者物価指数(CPI)が発表され、日本では8日に4〜6月期GDP改定値が控える。指標は多いが、投資家が見るべきポイントは比較的明快だ。米国では追加利上げに踏み切るのか、日本では日銀がさらに政策金利を引き上げるのか。この二つが相場の大きな軸になる。
その前哨戦となったのが4日発表の米8月雇用統計だ。非農業部門雇用者数は前月比16万2000人増と、市場予想の5万6000人増を大きく上回り、失業率は4.1%で横ばいだった。雇用市場の底堅さが改めて示されたことで、9月15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われるとの見方が強まり、米長期金利は上昇。4日の米国株は主要3指数がそろって下落した。市場が織り込む9月利上げ確率も6割前後へ上昇している。
■日本はGDP改定値、17〜18日の日銀会合をにらむ
日本でも焦点は金利だ。8日に発表される4〜6月期GDP改定値では、法人企業統計で設備投資が前年同期比1.6%増、経常利益が24.6%増となったことから、速報段階の実質年率1.1%成長が上方改定される可能性が意識されている。企業収益と設備投資の底堅さが確認されれば、日銀の追加利上げを後押しする材料にもなり得る。日銀は17〜18日に金融政策決定会合を開催する予定で、市場では早期利上げへの警戒が続いている。
こうした局面で注目したいのが銀行株である。金利上昇による貸出利ざやの改善期待から、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)などメガバンクには資金が向かいやすい。日銀の利上げ観測が一段と強まれば、銀行株が9月相場の主役候補として存在感を高める可能性がある。
■銀行か、AI・半導体か――資金の「主役交代」を見極める
一方、金利上昇は成長株の株価に重荷となりやすい。東京エレクトロン<8035>(東証プライム)、アドバンテスト<6857>(東証プライム)、キオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)などAI・半導体関連株は、米金利の動きを受けて値動きが大きくなる可能性がある。ただ、世界的なAI投資の拡大という中長期テーマ自体が失われたわけではない。金利上昇という逆風と、需要・業績拡大への期待という追い風のどちらが勝るかが焦点になる。
今週は日経平均の上げ下げだけでなく、市場の資金がどの業種へ移るかを見たい。米CPIが予想以上に強ければ米利上げ観測が高まり、金融株への関心が強まる可能性がある。一方、物価上昇が落ち着けば金利上昇への警戒が和らぎ、AI・半導体株が再び買われる展開も想定される。8日の日本GDP、10日の米PPI、11日の米CPIを通過するごとに、9月相場の「次の主役」が徐々に絞り込まれてきそうだ。
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