
売上高に関しては、銀行、保険向け関連システムの順調な増加に加え、流通関連システムの受注が回復してきたことが増収要因となった。また、組込型開発に関しては、携帯電話から情報家電分野に軸足をシフトしたことから、携帯の落ち込みを情報家電でカバーし、全体の売上を押し上げる結果となった。経常利益に関しては、前の期にあった投資有価証券売却益の反動で2ケタ減益となった。純利益は、増収効果に加え、新横浜の自社ビルの売却益により大幅最終増益となった。
トピックスとしては、日本を代表する大手自動車メーカーから品質管理を受注したこと、エンドユーザー向けの営業強化により直接ユーザーが23%から33%へアップしたこと、リアルコムと販売代理店契約を結んだことで企業コンサルティングサービスの内容が充実したこと、2Xアルファ・ソリューションズのソフトウェアと同社のセキュアダイブの併用により高度なセキュリティ環境を構築できることから内部統制向けの需要が期待できること等が挙げられる。
さらに今後注目を浴びるだろうと期待されるのは、前期子会社化したRFIDに関する設計・開発・製造を行うクレスコ・ID・システムズである。この企業手がけるセキュリティロッカー、入退出管理システム、研究データおよび書類の管理機能が画期的であることから、営業開始早々良い感触を得ている。ロッカー、書棚をシステムで結ぶことで、「誰が、いつ、何を取り出したか」を自動的に記録できるシステムである。特徴は、普通平面で読み取るが、同社製は垂直で、しかも0.8メガでも読み取ることが出来る点である。官公庁、金融機関をはじめ病院、宝飾店、図書館等広い分野での需要が見込まれる。しかし、今期は予算取りの段階で、来期より売上が本格化すると見ている。
09年3月期連結業績予想は、売上高150億円(前期比10.6%増)、経常利益9億4000万円(同8.0%増)、と2ケタ増収、経常増益を見込むが、純利益は前期の不動産売却益の反動で4億9000万円(同45.1%減)となるが、通常に戻ったといえる。
「これまで培ってきた組込、コンピューターの技術を連携させ、我々だけにしかできないものを作っていく。」(熊澤修一社長)と今後の方針を示した。
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